2024.10.30

3PLのメリット・デメリットは?注意すべき点なども解説

基礎から解説~物流アウトソーシング~

 

こんにちは。物流アウトソーシングサービス「物流業務クラウド」を提供するセイノー情報サービスです。
物流効率化がコスト低減などに効果を生むとして3PLの導入を国土交通省も推進しています。この記事では物流業務の3PLを検討している担当者に向けて導入する目的やメリット、デメリットを解説します。

 

目次

  1. 1. 3PLとは

  2. 2. 3PL導入の目的と期待

  3. 3. 3PL導入で得られる7つのメリット

  4. 4. 3PLを導入するデメリット・懸念点

  5. 5. 3PL導入のデメリット回避のために注意すべき点

  6. 6. 3PL事業者を選ぶための評価基準

  7. 7. 3PL事業者の種類

  8. 8. セイノー情報サービスの3PL事業のメリット

  9. 9. まとめ

 

3PLとは

3PLはThird Party Logistics(サード・パーティ・ロジスティクス)の略で荷主企業が自社の物流業務を第三者(サード・パーティ)に委託する業務形態のことです。荷主企業の物流部門が行っている物流業務の実行とマネジメントを3PL事業者が代行します。国土交通省でも3PL事業を推進しており、3PL人材育成推進事業の実施、ガイドラインの策定などを行っています。

荷主企業における3PL導入推進の意義

3PL事業者は多くの物流現場を経験してきたプロです。荷主企業は3PLを導入することにより、事業者の知見を基に自社のロジスティクスを最適化できます。また自社の限りある経営資源(人・モノ・カネ・情報など)を効率的に配分・調整できるため、事業の維持・拡大にロジスティクスの観点から貢献できます。


 

3PL導入の目的と期待

3PLを導入する目的と期待できることについて、2つのポイントを解説します。

コストの明確化

3PLを導入する目的の一つはこれまで人件費など固定費となっていたものを物量や作業量に応じた変動費に切り替えることで、物流コストを明確化することです。
自社で物流業務を担っている場合、光熱費や設備機器の維持管理費など見落されがちな細かいコストもでてきます。3PLを導入することで物流に関わる全てのコストが明確化され、管理しやすくなります。

コア業務への経営資源の集中

環境変化に対応し利益を出し続けなければいけない荷主企業は、近年、本業回帰の傾向を強めています。企業経営において限りある経営資源(人・モノ・カネ・情報など)をコア業務へ集中させる方策として、3PLの導入を検討する企業が増加しています。


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3PL導入で得られる7つのメリット

3PLを導入することで荷主企業が得られるメリットは様々です。ここでは主な7つのメリットについて解説します。

事業変化への柔軟な対応

EC市場への参入といった経営戦略の転換や2024年問題に代表される物流業界の大きな変革期に影響を受け、荷主企業の物流における業務、IT、物流ネットワークなども変化しています。このような状況下でも経験豊富な3PL事業者の支援があれば、新倉庫の立ち上げや業務フローの再構築などのノウハウが必要とされる取り組みにも効率的かつ効果的に対応できます。

財務状況の改善

3PLを導入することにより物流投資と物流コストの適正化が図れ、経営資源をより有効活用できます。例えばトラックをはじめとする物流リソースの保有数を減らすことで、BS(貸借対照表)がスリム化されます。また物流コストが削減できればPL(損益計算書)の改善につながりますし、コストの変動費化によりCF(キャッシュフロー)も改善します。

顧客サービスの向上

在庫管理・倉庫業務・輸配送のいずれか1つでもサービスレベルが低下すると、取引先の信頼や満足度は大きく損なわれます。3PL事業者のプロの知見によって全てのサービスレベルを高い状態で保つことで品質向上が実現します。

物流コストの効果的な削減

物流コストは販売戦略、生産体制、取引先との納品条件など、多様な要因の影響を受けます。3PLの導入をきっかけに物流に制約を与えている要因を明確化すれば、3PL事業者からの条件変更による効果的なコスト削減提案を受けることも可能です。

関連コラム:物流コストの可視化とは?取組みのポイントや重要性を解説

改善効果を早く得られる

3PL事業者の専門知識と豊富な経験を活用することで、物流改善は自社単独の取り組みよりも迅速かつ効果的に進められる可能性が高まります。物流のプロフェッショナルである3PL事業者は最新の物流システムや技術に精通しており、的確な導入支援を通じて、迅速かつ確実な改善効果が期待できます。

改善効果を継続的に得られる

物流改善では、短期的な視点に囚われず継続的に改善を重ねていくことも大切です。日々の業務に追われていると改善活動をなかなか進められないこともあります。定期的な実績報告や改善検討会の開催、積極的な改善提案などを行う3PL事業者を選定すると、継続的な活動によって効果を出し続けることも可能になります。

最適な物流システムの活用

現代の物流機能の高度化にはITの活用が不可欠です。3PL事業者は最適な物流システムの提案・活用をサポートする役割も担っているため、3PLを導入することによって荷主企業は最適な物流システムやロボットなどの最新技術を効率的かつ効果的に活用できます。


 

3PLを導入するデメリット・懸念点

3PLを導入するにあたり、荷主企業にとってデメリットとなる点について解説します。

業務知識とノウハウの不足

業務のアウトソーシングに伴う一般的なデメリットとして、自社の物流に関する専門知識やノウハウが社内に蓄積されにくい点が挙げられます。日常的な運用や改善プロセスへの直接的な関与が減少し、実務の状態を把握しづらくなるためです。

自社の物流管理能力の低下

先の通り実務の状態を把握しづらくなり、細やかな管理が行き届かなくなります。そのため、物流現場で問題が生じた場合、解決は3PL事業者に依存せざるを得ず、社内の対応力が低下する可能性があります。さらに、業務のアウトソーシングによって人材をコア事業へ集中できるようになる反面、物流業務に関わる機会が減少し社内の物流担当者の人材育成が困難になる恐れもあります。


 

3PL導入のデメリット回避のために注意すべき点

先に挙げたデメリットを回避するため、注意すべき点について解説します。

3PL事業者とのコミュニケーション強化

3PL事業者とは定期的な会議を開催し双方向のコミュニケーションを活性化させることが重要です。会議では3PL事業者から実務に関する報告を受けるだけでなく、荷主企業からも大口受注や販売促進イベントなど物流マネジメントに影響を与える重要情報を積極的に共有し協力体制を強化しましょう。

数値による管理と自社の関与維持

KPI(重要業績評価指標)の設定と共有は荷主企業と3PL事業者が共通の目標に向けて協働するための効果的な手段です。3PL事業者に全面的に依存せず、物流管理業務の一部を自社で担当することで運営への理解と関与の維持につながります。 定例会を委託先倉庫で開催したり定期的に現場視察を実施したりするなど、物流運営への積極的な参加は有益です。これらの活動を通じて物流業務の現状を的確に把握し、必要に応じて具体的な改善策を提案・実行しましょう。

関連コラム:ロジスティクスKPI(物流評価指標)とは


 

3PL事業者を選ぶための評価基準

3PL事業者の選定には一般的にQCD(品質・コスト・納期)の観点から評価することが効果的です。ポイントを解説します。詳しくは別コラム「3PL事業者選択時に評価すべきポイント」で解説しています。

Quality(品質)

品質面の評価では在庫差異率や誤出荷率や庫内破損率などの具体的指標を用いることが理想的ですが、選定段階では実態把握が難しいため、他社での実績数値や品質管理への取り組み姿勢を確認しましょう。 3PL事業者が提示した数値や取り組みをそのまま自社に適用して評価するのではなく、回答の迅速さと具体性に注目します。明確な数値目標設定と継続的な改善活動を実施している事業者を高く評価しましょう。

Cost(コスト)

コスト面の評価では現行コストと各3PL事業者の提案を比較します。公平な比較のために、物量条件、見積項目、見積範囲、契約期間を統一することが不可欠です。

関連コラム:3PL事業者からの見積を適切に比較するには
 

Delivery(納期)

倉庫の業務において納期遵守は重要な評価ポイントです。入荷商品の出荷可能になるまでの時間や当日出荷の締め切り時間など、3PL事業者が想定する業務タイムスケジュールを確認しましょう。


 

3PL事業者の種類

3PL事業者はアセット型とノンアセット型の2種類に大別されます。それぞれの特徴を解説します。
詳細はこちら

アセット型

アセット型の3PL事業者は運送事業者や倉庫事業者が保有する施設・車両・人材など物流資産を優先的に使用して物流サービスを提供します。既存リソースの活用により低コストでのサービス提供が特徴です。

ノンアセット型

ノンアセット型の3PL事業者は荷主でも物流事業者でもない第三者のことです。ノンアセット型は倉庫やトラックなどの物流リソースを持たないため柔軟性が高く、出荷重心など最も適した倉庫を都度選択できます。商品特性や物量、出荷形態などに応じた最適な対応が可能です。

アセットとノンアセットの違い

 

セイノー情報サービスの3PL事業のメリット

セイノー情報サービスはノンアセット型の3PL事業を展開し、ロジスティクスの戦略策定から物流業務まで一貫してサポートします。 独自の独自の物流方法論「構築MeLOS」「運用MeLOS」に基づき、倉庫の構築・運用を実施します。運用やマネジメントにおいては、自社開発のWMS(倉庫管理システム)「SLIMS」可視化ソリューション「LOGISTICS・COCKPIT」を活用し、荷主企業の物流変革を支援します。 これらのサービスによって荷主企業は物流業務の効率化を実現し、コスト削減と品質向上を同時に達成することが可能です。

関連情報:セイノー情報サービスのノンアセット型3PL(販売物流サービス)


 

まとめ

3PLの導入には事業環境の変化への柔軟な対応、財務改善、顧客サービスの向上、物流コストの削減、迅速かつ持続的な改善効果が期待できるなど、多くのメリットがあります。懸念される知識やノウハウの蓄積不足や物流専門人材の育成停滞は、3PL事業者との緊密なコミュニケーションと協働体勢で効果的に解消できるでしょう。 セイノー情報サービスでは調達・生産から輸配送まで物流現場の全フェーズをサポートするITを駆使した3PLサービスを提供しています。物流業務の委託を検討の際は、ぜひ以下からお問い合わせください。

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このコラムの監修者
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セイノー情報サービスは400社以上へのWMS導入を通して培った物流ノウハウをもとに、お客様の戦略立案や物流改善をご支援しています。
当コラムは、経験豊富なコンサルタントやロジスティクス経営士物流技術管理士などの資格を持った社員が監修しています。
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