2024.12.25

3PLの現状|市場が拡大する背景と導入するメリットを解説

基礎から解説~物流アウトソーシング~

 

こんにちは。物流アウトソーシングサービス「物流業務クラウド」を提供するセイノー情報サービスです。
3PLとは、物流業務を専門的な物流のノウハウを有する第三者企業に委託する業務形態のことです。日本の3PL市場は、2022年に4兆円を突破しました。この記事では、3PLの現状と拡大を続ける背景、導入するメリットなどについて解説します。

 

目次

  1. 1. 3PLとは

  2. 2. 3PL事業者の種類

  3. 3. 3PLの現状

  4. 4. 3PLが発展した背景

  5. 5. 今後も3PL市場が拡大する可能性

  6. 6. 3PLのメリット

  7. 7. まとめ

 

3PLとは

3PLの概要や1PL、2PLとの違いについて解説します。

3PLの概要

3PLとは、Third Party Logistics(サード・パーティ・ロジスティクス)の略称です。自社で物流業務を行うのではなく、第三者(サードパーティ)に委託する形態を指します。3PL事業者は、物流業務の実務部門に加えて、荷主企業の物流部門に代わり、改善策の立案をはじめとするマネジメント業務も担います。  

 

1PL、2PLとの違い

3PLのほかに、1PLや2PLという言葉もあります。3PLと1PL、2PLの違いは、物流業務の範囲や委託の度合いにあります。  


1PL、2PLとの違い

1PLではマネジメントとシステム、物流業務、いずれも荷主が行います。2PLではマネジメントとシステムは荷主、物流業務は物流事業者が請け負います。

3PLはマネジメントとシステム、物流業務いずれも物流事業者が代行します。3PLでは荷主企業に代わり、ロジスティクス全体を包括的に一元管理します。  


 

3PL事業者の種類

3PL事業者はアセット型とノンアセット型に分けられます。ここではそれぞれの特徴を解説します。

アセット型

アセット型の3PL事業者は、設備や車両、人材など自社の物流資産を優先的に使用して、物流業務を請け負う運送事業者や倉庫事業者などです。自社のリソースを活用できるため、ノンアセット型と比べて低コストでサービスを提供できる特徴があります。

 

アセット型

ノンアセット型の3PL事業者とは、荷主や物流事業者でもない第三者が物流業務を行います。倉庫やトラックなど、自社で物流資産や拠点を持たない代わりに、都度より良いものを選択でき、柔軟性が高く、最適な倉庫を選択できます。商品特性や物量、出荷形態などに臨機応変に対応できることもメリットです。


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3PLの現状

国内の3PLの市場規模は右肩上がりです。2009年から2023年の15年間で、3PLの市場規模は3倍以上に拡大しました。2022年度には4兆円に達しており、今後も伸長が見込まれています。


3PLの市場規模
※出典:月刊ロジスティクス・ビジネス2024年9月号

 

3PLが発展した背景

3PLが発展した背景として、アウトソースニーズの高まりが挙げられます。アウトソースニーズの高まりには、荷主企業サイドの動向、物流事業者サイドの動向、需要と供給が合致した3つの背景が影響しています。それぞれの背景は以下のとおりです。

・荷主企業サイドの動向:本業回帰の傾向が強まっており、物流業務の人材不足への対策として、物流機能のアウトソーシングニーズが高まる
・物流事業者サイドの動向:運輸・物流分野における規制緩和が推進され、新規参入する事業者が増えてアウトソースの受け皿ができた
・需要と供給が合致:物流アウトソーシングの普及により、アウトソース市場が活発化した

以前は、物流事業者に業務を一任することで、自社の物流がブラックボックス化する事態が発生していました。物流改善の機会を喪失してしまうため、この状況を危惧した大手企業を中心に、自社で物流をコントロールする意向が強まり、改善活動に積極的に介入するようになりました。

このような経緯で、現在ではマネジメントを担い、改善やシステム活用の提案が期待できる3PLが重宝される時代を迎えています。


 

今後も3PL市場が拡大する可能性

3PLは今後も市場の拡大が予測されています。その理由を、人材不足改善、技術革新の2つの観点から解説します。

人手不足の改善

物流現場では、ECの普及などによる需要増加の影響を受け、人材の需要が高まっています。
しかし、消費人口に対し生産人口が大きく減ることから、消費人口が減少のピークを迎える20年後まで物流現場の人手不足は続くといわれています。また、物流は人手不足だけでなく、物流ノウハウを持つ人材不足も課題として挙げられます。物流には専門知識が必要であり、人材を育成するにも時間やコストがかかります。
そのため、知見や多くの経験を持つ3PL事業者に期待が高まっており、市場の拡大が予測されています。

関連コラム:物流現場の人手不足は、20年続く-物流の敵に勝つ、変化に勝つ

技術革新

物流業界のデジタル化と自動化を推進するロジスティクス4.0という新しい概念が業界全体に革新をもたらしています。ロジスティクス4.0とは、ロボット、AI、IoTなどの先進技術を活用し、物流プロセス全体を最適化する取り組みです。これらの進展により、3PL事業者はより効率的でコスト効果の高いサービスを提供できるようになり、荷主企業は物流コストの削減とサービス品質の向上を期待しています。

参考:Logistics4.0 - 国土交通省


 

3PLのメリット

3PLのメリットは複数挙げられます。ここでは主なメリットを3つ紹介します。

関連コラム:3PL導入で得られる7つのメリット

改善の促進

3PL事業者の専門知識と豊富な経験を活用することで、自社単独で取り組むよりも迅速かつ効率的に物流の改善が期待できます。最新のITツールや技術に精通しており、物流のプロフェッショナルである3PL事業者が的確な導入支援をしてくれるためです。

また、3PL導入は長期的なサービス満足度向上にもつながります。サービス満足度の改善は一時的な成果を期待するのではなく、持続的な取り組みが不可欠です。そのためには、定期的な実績報告や積極的な改善提案などを行う3PL事業者を選定することが重要です。

事業変化への柔軟な対応

EC市場への参入をはじめとする経営戦略の転換や2024年問題に代表される外部環境の変化などにより、物流業界は大きな変革期を迎えました。さまざまな変化に伴い、求められる機能や役割も急速に変化しています。変化に対応できる経験豊富な3PL事業者の支援を受けることで、新倉庫の立ち上げや業務フローの再構築などに効率的かつ効果的に対応できます。

物流コストの効果的な削減

物流コストは販売戦略、生産体制、取引先との納品条件など多様な要因の影響を受けます。物流コストの持続的な削減には包括的な施策の実施が必須です。3PLを導入することで制約条件を可視化すれば、3PL事業者から効果的な提案をしてもらえるため、物流コストの削減につながります。


まとめ

3PLは多くの企業が導入しており、市場規模は2009年からの15年間で約3倍以上に拡大しました。今後も人手不足の改善や技術革新による3PL事業者の品質向上、及びコスト効果の高いサービスが期待されているため、市場はさらに拡大すると予測されています。3PLを導入することで物流業界のさまざまな変化に臨機応変に対応でき、物流コストの削減につながるでしょう。

セイノー情報サービスでは、戦略策定から運営・運用管理サービスを適切に組み合わせて物流アウトソーシングサービスを提供します。業務ごと及び業務プロセス全体のアウトソーシングに対応しているため、お客様のご要望や課題にあわせて柔軟に対応可能です。


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このコラムの監修者
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セイノー情報サービスは400社以上へのWMS導入を通して培った物流ノウハウをもとに、お客様の戦略立案や物流改善をご支援しています。
当コラムは、経験豊富なコンサルタントやロジスティクス経営士物流技術管理士などの資格を持った社員が監修しています。
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