導入ソリューション
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- 企業名
- ゼネラル株式会社
- カテゴリ
- アウトソーシング
- 企業規模
- 267名(2023年10月31日現在)
- 業種
- 製造業
- 売上高
- 206億35百万円(2023年度実績 ※連結) 事業内容 プリンティングメディア事業・OAサプライ事業
お客様の概要
ゼネラル株式会社様は、1914年大阪府大阪市に東洋複写紙合資会社を設立し、カーボン紙の製造、販売を開始されました。独自製法によるカーボン紙の販売からおよそ100年、時代とニーズの変化に合わせて技術を応用・進化させ、色材および印刷技術の発展に貢献されてきました。現在は、この独自のインク調合技術と精密コーティング技術を強みとし、プリンティングメディア事業・OAサプライ事業において幅広く製品を展開されています。原材料の調達・選定から加工まで一貫した生産体制を構築し、国内だけでなくアジアをはじめとした世界にも生産拠点を拡大されています。そして、優れた技術力とニッチなニーズにも応える個別対応力は高く評価されており、主力製品のサーマルリボンは国内トップクラスのシェアを獲得されています。
ゼネラル様では、環境保護が重視される以前から自社を「環境貢献企業」と位置づけ、業界を先駆する様々な取り組みを進められています。その1つとして、ゼネラルグループのゼネラルサプライ様が使い捨てトナーカートリッジが及ぼす環境負荷にいち早く着目をし、環境にやさしい「リユーストナーカートリッジ」事業を展開されています。これは、ユーザーから使用済みのトナーカートリッジを回収し、分解、クリーニング、消耗パーツの交換を行い、再度組み立て、新しいトナーを充填し、新品同様に使えるようリユースしたトナーカートリッジです。この廃棄物を一切出さない独自システムの構築で、地球資源保護とオフィスの経費削減・効率化を推進する「高い品質」と「サービス体制」を確立されています。そして、グリーン購入法の厳しい水準を満たした適合品としても認められています。
お客様の抱えていた課題
「リユーストナーカートリッジ」は全国のエンドユーザー・代理店で利用されおり、エンドユーザー・代理店で使用済のトナーが発生すると、ゼネラル様に回収依頼がFAXで送付されます。この回収及びリサイクル工場までの配送、そして、再び新しいトナーカートリッジをエンドユーザー・代理店へ発送するまでの循環物流に課題を抱えていました。
- ・回収依頼を様々なフォームで受付するため、窓口業務に時間がかかる
- ・営業も回収業務を行っているため、本来の営業活動に注力できない
- ・営業が行くことが出来ない場所は着払いで対応するため、運送費がかかる
- ・回収場所が多岐にわたるため回収漏れの危険性がある
- ・回収時の付加作業(ロット確認・回収回数のカウント)に時間がかかる
- ・回収依頼から運送便手配までを委託することで、窓口や営業所の負荷軽減
- ・回収進捗管理によりトラブルを早期解決
- ・回収業務の委託で、営業の負荷軽減・回収リードタイムの削減
- ・リユーストナー工場の待ち時間を削減
窓口業務で抱えていた課題
窓口では回収依頼をFAXで受け付けていましたが、送られてくる回収依頼書のフォームは統一されていませんでした。各社独自のフォームに手書きによるメモやチェックも記載されているため、入力には多くの時間がかかっていました。また、回収依頼書が届く度に運送便の手配も行っていました。
営業で抱えていた課題
代理店・エンドユーザーへの回収業務は赤帽だけでなく各営業所の担当者も行っており、窓口から回収指示が来る度に通常業務を中断して回収に向かわなければいけません。また、各営業所で回収したトナーの状態を確認して、リユース品・廃棄品・クレーム品に仕分けも行っていたため、営業本来の仕事に専念する時間が取れていませんでした。また、代理店・エンドユーザーでの回収時、ロット確認・回収回数のカウントなどの付加作業を担っていましたが、標準的なチェック様式もなくそれぞれの判断で行っていたため回収漏れの危険性がありました。また、営業が行くことが出来ない場合や遠方の地域については営業所まで着払いで発送してもらうなど、手間も費用も多くかかっていました。
リユーストナー工場で抱えていた課題
リユーストナー工場では営業所から毎日いつ、どれくらい回収品が届くか予測できないため、業務の見通しを立てることができませんでした。
マネジメントセンターの活用で業務負荷が大幅軽減
受付窓口の一本化で窓口業務の負荷軽減
今までゼネラル様の窓口で行っていた「回収依頼の受付」を弊社のマネジメントセンターが代行します。回収依頼書は様々なフォームで届きますが、マネジメントセンターではそれを素早くデータエントリーしています。そして「運送便の手配」は、マネジメントセンターから西濃運輸の各支店へ回収指示を出します。こうして回収依頼から運送便の手配までを一貫して代行することで、窓口や営業所の負荷が軽減されました。 さらに、マネジメントセンターでは回収進捗管理も行っており、依頼通りに回収されているか常に確認しています。もし確認が取れなかった場合も、直ちにマネジメントセンターから西濃運輸へ回収状況が確認されます。また、回収先で何かトラブルが発生してもマネジメントセンターにご連絡をいただくことで、西濃運輸への回収状況の確認や配送先であるリユーストナー工場への遅延連絡がされます。さらに窓口へも回収・配達完了実績情報を提供しているため、遅延やトラブルなどの情報を1つ1つ調べることなく確認することができます。
西濃運輸の「お帰り便」の活用で、全国均一の回収・発送が可能に
営業が行っていた「回収業務」を全国に営業所を持つ西濃運輸が担うことで、営業の負荷軽減だけでなく、今まで着払いで対応していた遠方の代理店・エンドユーザーも翌営業日には回収することが可能となりました。北は北海道、南は沖縄まで全国統一で翌営業日に回収に伺えることは全国に営業所を持つ西濃運輸の強みです。 また、回収先には回収時の独自ルールが多くあります。例えば、裏口から出入りする、入出時には氏名を伝えるなど入退出時のルールは様々です。さらに回収品の置き場を決めておく「置き配」を希望される場合は、その置き場も把握しておかなければいけません。これらの情報を送り状の備考欄に記載することで細やかな対応ができ、回収漏れの防止にも繋がります。 さらに、以前は営業所で行っていたトナーの仕分けも西濃運輸で行っています。トナーの状態を確認して、リユースできるものか、廃棄するべきものか、クレームを受けたものかなどの仕分けを行い、リユース可能なものはリユーストナー工場へ配送しています。
回収から発送までのライフサイクルを一元管理
工場では毎日いつ荷物が届くか分かりませんでしたが、回収情報から到着予告情報までが常に提供されることで、業務の見通しを立てることができるようになりました。もし配送時にトラブルが発生しても、トラックがいつ出発したか、集荷進捗はどうかなど、マネジメントセンターのオペレーターが柔軟に対応しています。また、地震などの天災で回収・配達が不可能な地域が発生する場合も、直ちに回収先へ報告し、工場や窓口でもどの商品が届かないのか確認できるようになっています。さらに、リユース後のトナーは再び代理店・エンドユーザーへ配送されますが、この配送もマネジメントセンター及び西濃運輸で担っています。このように、回収から発送までゼネラル様のライフサイクルを弊社のマネジメントセンターで中心となり一元管理することで、業務の効率化を実現しました。
更なる品質向上に向けて
ゼネラル様と西濃運輸、弊社の三社で3か月に1度定例会を行っています。そこでは、回収トラブルや商品事故防止のために、KPI を設定・計測して改善に向けた努力を双方で行っています。これにより、遅延クレームもなく、回収依頼を受けた件数の90%以上が翌営業日に回収されるなど、高い水準の品質を保っています。 また更なる業務効率化のために、マネジメントセンターでは出荷データの取り込みや西濃運輸への出荷指示でのRPAの活用や回収依頼フォームの統一化の推進なども実践しています。
導入後の効果
01 窓口業務の負荷軽減
データエントリー業務、集荷手配業務、回収確認などを弊社のマネジメントセンターが代行することで窓口業務の負荷が削減されました。さらに、回収依頼フォーム統一化推進により更なる効率化が進んでいます。
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02 営業活動に注力する時間の確保
回収業務、トナーの仕分け、工場への配送をすべて西濃運輸で代行することで、営業の業務負荷も軽減し、運送費も大幅に削減されました。
03 リユーストナー工場の業務効率化
回収品の到着が事前に通知されることで待ち時間も削減され、毎日の業務を見通すことができるようになりました。
このように、全国で均一な回収・配送サービスが可能となることは、ゼネラル様のセールスメリットとなり、販路拡大による売上向上が見込めるようになりました。また、回収リードタイムの短縮によりリユーストナーの回転も良くなりました。現在はトナーの個体管理をすることによって、エンドユーザーが自分で使用していたトナーと同一品を再利用できることが同業他社との差別化になり顧客満足度も向上しています。
お客様の声
当社のリユーストナービジネスにおいて、回収・配送サービスは、ビジネスの根幹の部分となっており、全国的な回収・配送の一括マネジメント及び柔軟な対応でご支援いただいております。今後もデータ連携等を強化し、共にお客様へのサービス向上に向け改善を推進していきたいと考えております。
ゼネラルサプライ 営業部 副部長
平井 幹人 氏