2025.6.4

3PL事業者だから解決できる在庫管理の課題

基礎から解説~物流アウトソーシング~

 

こんにちは。物流アウトソーシングサービス「物流業務クラウド」を提供するセイノー情報サービスです。
在庫管理は企業の物流業務における重要な要素であり、その効率化は企業競争力の維持・向上に欠かせません。この記事では、在庫管理の基礎から課題まで詳しく解説するとともに、その解決策として注目される3PL事業者の活用法を具体的に紹介します。3PL事業者の選定ポイントや導入事例も解説します。物流業務の最適化を目指す企業担当者は参考にしてください。

 

目次

  1. 1. 在庫管理とは

  2. 2. 在庫管理の目的と課題

  3. 3. 在庫管理の課題を解決へ導く3PL

  4. 4. 在庫管理の課題を解決する3PL事業者の選び方・ポイント

  5. 5. セイノー情報サービスの3PLサービスとは

  6. 6. 3PL導入による在庫管理の事例

  7. 7. まとめ


 

在庫管理とは

在庫管理とは、企業が保有する在庫の状態を正しく把握し、適切な数の確保と管理をすることです。ここでいう在庫は、顧客に届ける商品だけではありません。原材料、部品、中間品、梱包資材など、製造・販売に関わるすべてのモノが在庫として扱われます。
必要なときに必要な量をスムーズに供給できるよう、企業は在庫数を常に把握し、適切な数を確保して管理します。
関連コラム:在庫管理とは?在庫管理の課題と改善方法を解説

在庫管理と倉庫管理の違い

在庫管理と混同されやすい業務として「倉庫管理」があります。大きな違いは、「管理対象」と「目的」です。倉庫管理とは、入出荷作業や保管など、倉庫内の業務全般をマネジメントすることを指します。在庫管理は、倉庫業務のひとつです。
在庫の管理に加えて、倉庫内の人員配置や設備の管理など、倉庫内業務の効率化を目指す倉庫管理に対し、在庫管理は企業全体の在庫を対象とし、適切な在庫水準の維持に重点を置いています。
関連コラム:倉庫管理と在庫管理の違いとは?作業効率化のポイントを解説



 

在庫管理の目的と課題

在庫管理の目的と、多くの企業が抱える課題について解説します。

在庫管理の目的

在庫管理の最も重要な目的は、在庫量を最適化することです。企業にとって、工場、倉庫、営業所など、複数の部門や拠点に分散して保管されている在庫の数量や保管場所、状態を正確に把握することは重要です。また、生産量や発注のタイミングを適切にコントロールすることも欠かせません。 このような在庫量の最適化によって、企業は生産性の向上、管理コストの削減、キャッシュフローの改善という3つの効果を得られます。


在庫管理の課題

在庫管理には以下の課題があります。
関連コラム:在庫管理の課題

  • ・属人化問題
  • ・きめ細かい在庫管理が困難
  • ・リアルタイムな在庫把握が困難
  • ・在庫量が適正でない
  • ・管理業務の負担増大
それぞれがどのような課題かを解説します。


属人化問題

在庫管理には商品知識や経験が不可欠なため、特定の担当者に業務が集中しやすくなります。属人化が進むと、担当者不在時の業務遂行が困難になったり、ノウハウの共有や引き継ぎが進まなかったりする問題が生じます。


きめ細かい在庫管理が困難

在庫管理では、ロット管理や消費期限の管理など、細かな在庫状態の確認を目視に頼っているケースが多く、人的ミスのリスクが高まります。これにより、品質管理や在庫の有効活用に支障をきたす恐れがあります。


リアルタイムな在庫把握が困難

在庫管理では、システム上の理論在庫と実際の在庫に差異が生じやすく、日々の入出庫作業や在庫管理業務の効率を低下させる原因となります。


在庫量が適正でない

企業では、生産、調達、物流、営業など複数の部門が在庫に関わっています。それにも関わらず、各部門の役割や責任が曖昧で、適正在庫量を判断する基準が不明確なケースが少なくありません。


管理業務の負担増大

在庫に関連するKPIの集計をExcelや紙で行っているケースは多く、データ入力ミスや集計ミスが発生しやすくなります。これにより、正確な在庫管理業務の工数が増大する可能性があります。


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在庫管理の課題を解決へ導く3PL

3PL(Third Party Logistics:サード・パーティ・ロジスティクス)とは、企業の物流業務を社外の専門業者に委託する業務形態です。自社で在庫管理を行う場合、物流に特化した専門人材の不足や、システム投資などにより予想以上のコストが発生することがあります。
3PL事業者は、物流のプロフェッショナルです。専門的なノウハウと最新システムによって、在庫管理を効率的に行うことができます。結果として、費用対効果が高くなるケースが多く見られます。


【課題】属人化問題

3PL事業者は、WMS(倉庫管理システム)を活用して、作業を標準化します。これにより、特定の担当者の経験や勘に頼ることなく、一定の品質で在庫管理業務を実施することが可能です。


【課題】きめ細かい在庫管理が困難

3PL事業者は、商品の入荷日、ロット番号、出荷期限など、顧客のニーズに応じた詳細な在庫管理が可能です。専門的なシステムと経験を活かし、商品特性に応じた最適な管理方法を提供します。


【課題】リアルタイムな在庫把握が困難

3PL事業者のシステムで実在庫を一元管理し、可視化します。これにより、荷主企業はリアルタイムで正確な在庫状況の把握が可能です。


【課題】在庫量が適正でない

3PL事業者は第三者の立場から、計算ロジックや発注点管理といった、客観的な指標に基づいて在庫をコントロールします。これにより、各部門の思惑に左右されない適正な在庫数を維持できます。


【課題】管理業務の負担増大

荷主企業は3PL事業者から、在庫回転日数や欠品率など在庫に関するきめ細かな報告が受けられます。自社での集計作業が不要になり、管理業務の負担を大幅に軽減することができます。



 

在庫管理の課題を解決する3PL事業者の選び方・ポイント

在庫管理の課題を効果的に解決するには、適切な3PL事業者の選定が重要です。以下に、3PL事業者を選ぶ際の主な4つのポイントを解説します。
関連コラム:3PL事業者選択時に評価すべきポイント


QCDの評価軸をもつ

3PL事業者の選定においては、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の3つの評価軸で検討することが重要です。
まず、事業者が、作業品質に関する具体的な数値をスムーズに提示できるかどうかを見ます。これにより、日常的に数値目標を設定し、データに基づいた品質管理と改善活動を実施していることがわかります。
また、現状の運用コストと提案されたコストを詳細に比較することも重要です。その際、事業者の費用体系の仕組みや透明性、費用項目の細分化の程度を確認し、コストパフォーマンスを評価します。
さらに、入出荷作業のタイムスケジュールも有効な判断材料となります。


費用体系が細分化されているか

3PL事業者の費用体系が細分化されていると、改善活動とコスト削減の関係性が明確になります。これにより、改善活動の効果を具体的な数値として把握しやすくなります。
また、改善による期待効果を、荷主企業側で容易に試算できる費用体系となっているかも重要なポイントです。例えば、保管料や作業量が詳細に区分されていれば、在庫削減や業務効率化による具体的なコスト削減効果を事前に見積もることができます。


高度なWMSを保持しているか

3PL事業者のWMSの機能性は、在庫管理の質を左右する重要な要素です。事業者選定の際は、次の4つの特徴を備えているかに着目します。

  1. 1.複数の倉庫や寄託者に対応できる拡張性
  2. 2.在庫状況や作業進捗をリアルタイムで管理できる機能
  3. 3.食品の賞味期限管理やアパレルのサイズ管理など、業界特性に応じた多様なニーズに対応できる柔軟性
  4. 4.入出庫実績などの作業実績をわかりやすく可視化する機能


物流コーディネート力を見極める

3PL事業者の物流コーディネート力は、課題の分析と解決策の設計能力、アセット調整能力、IT活用能力といった総合的な視点から評価することが必要です。これらの能力は、実務経験に基づいた実践的な提案力、現場の生産性と品質を向上させる運営力、ITシステムを活用してPDCAサイクルを確実に実践する力の、3つの要素として現れます。
物流の専門知識と実務経験、必要なリソースの調達力、ITの活用能力、そして持続的な改善能力を総合的に判断することで、信頼できる3PL事業者を見極められます。



 

セイノー情報サービスの3PLサービスとは

セイノー情報サービスでは、マネジメントセンターを核とした、ノンアセット型3PLサービスを提供しています。自社開発のITシステムと最適なアセットを組み合わせたこのサービスにより、さまざまな企業の効率的な物流ソリューションの実現が可能です。
セイノー情報サービスの強みは、以下の3つの力にあります。

現在の業務

マネジメント力は、定期的な報告と改善提案を通じて、継続的な業務改善を実現する力です。月間80社・50万件以上の物量を取り扱う専門チームが、受注から輸配送までの全工程をモニタリングしています。

アセット力では、全国各地の物流拠点と多数のパートナー企業のネットワーク、さらに西濃運輸の全国規模の輸送網を活用し、柔軟な物流体制を構築しています。

IT力では、400社以上の導入実績を持つWMS「SLIMS」が最大の特徴です。また、発注点を自動算出する在庫適正化ツール「SLASH」、作業進捗の可視化を実現する「LOGISTICS・COCKPIT」など、独自開発のシステムを駆使して、効率的な物流管理を実現しています。
関連コラム:セイノー情報サービスの3PL販売物流サービス



 

3PL導入による在庫管理の事例

3PLサービスの導入によって、企業の在庫管理がどのように改善されたのかを、具体的に2つの事例を通して解説します。

事例1. 3PL導入でコスト削減とイベント開催の増加を実現

全国で販促イベントを開催するA社は、イベント備品の手配や調整作業に多くの時間を費やすため、本来の企画業務に支障をきたしていました。
また、イベント終了後の備品を1か所の物流センターに返却する必要があり、余分な輸送コストが発生していました。さらに、在庫状況や配送状況をリアルタイムで確認できないため、イベント現場からの問い合わせ対応に遅れが生じることも課題でした。
3PLサービスの導入後は、在庫管理に関するこれらの課題が大きく改善されました。物流業務から解放されたことで、本業であるイベント企画に注力できるようになり、イベント開催数は30%増加しました。
また、セイノー情報サービスのマネジメントセンターが在庫や配送状況を一元管理することで、正確な情報把握が可能となり、問い合わせやクレームも大幅に減少しました。
関連コラム:物流アウトソーシングでコスト削減とイベント開催の増加を実現


事例2. キッティングから物流までのトータルアウトソーシングで供給体制のBCP対策を実現

ブラザーインダストリアルプリンティング株式会社様では、供給体制の強化と製品出荷精度の向上に課題がありました。まず、単一拠点に依存している供給体制であったため、災害や事故などの緊急事態が発生した際の対策(BCP:事業継続計画)が、不十分な状態でした。また、製品の性質上、シリアルナンバーやロット単位での正確な在庫管理・出荷が求められていました。 3PLサービスの導入後は、これらの課題が効果的に解決されました。まず、供給体制は物流拠点を3か所に分散することで、災害時でも安定した供給体制を確保するBCP対策が実現できました。また、製品出荷はWMSの利用により、シリアルナンバーやロット単位での正確な在庫管理が可能となり、出荷精度が大幅に向上しました。
関連コラム:キッティングから物流までのトータルアウトソーシングで供給体制のBCP対策を実現



 

まとめ

3PLサービスの活用は、企業の在庫管理における課題を効果的に解決する手段として注目されています。在庫管理の課題として多く見られる属人化や、きめ細やかな在庫管理の難しさ、リアルタイムな在庫把握などは、適切な3PL事業者の選定により解決が可能です。
セイノー情報サービスは、400社以上の導入実績を持つWMS「SLIMS」をはじめとする、充実したITシステムと、全国規模の物流ネットワークを組み合わせた、包括的なソリューションを提供しています。在庫管理の改善をお考えの企業様は、セイノー情報サービスの3PLサービスをご検討ください。

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このコラムの監修者
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セイノー情報サービスは400社以上へのWMS導入を通して培った物流ノウハウをもとに、お客様の戦略立案や物流改善をご支援しています。
当コラムは、経験豊富なコンサルタントやロジスティクス経営士物流技術管理士などの資格を持った社員が監修しています。
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