2020.7.21
  • アウトソーシング

運用開始後、継続的に3PLの効果を享受するポイント

物流アウトソーシングを成功させるポイント

 

立ち上げフェーズ1立ち上げフェーズ2では、立ち上げフェーズにおける『3PL立ち上げプロセスにおけるポイント』をお伝え致しました。今回は、最後の運用評価フェーズにおける『運用開始後、継続的に3PLの効果を享受するポイント』をお話させて頂きます。



 

3PL事業者と共同で新しい物流業務を構築後、実運用が始まります。そこではまず、変化に伴う混乱を最小限にし、運用を早期に安定化させることが目標となります。そしてその後は、3PL事業者とともに、さらに品質や効率を高める「運用評価フェーズ」に入ります。
その際、どのようなことを考慮すると継続的に3PLの効果を享受できるのでしょうか。ここでは、その考慮すべき3つのポイントについてお話させて頂きます。

 

3PL事業者への評価基準の設定(KPI)

継続的に3PLの効果を享受するため、つまり、3PL事業者と継続的に改善活動を推進していくためには、3PL事業者による物流の運営状況を荷主企業として評価することが必要です。これには、やはり、QCDの観点をKPIにて評価することをおすすめします。

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で重要業績評価指標などと訳されます。
以下に、QCDの観点におけるKPIの例をご紹介します。

 

Quality/品質

 物流センターにおけるKPI : 誤出荷率、在庫差異率
 輸配送におけるKPI    : 誤配送率、配送事故率


Cost(コスト)/生産性

 物流センターにおけるKPI : 1人1時間当たりのピッキング回数、保管効率
 輸配送におけるKPI    : 1届け先1個あたりの輸送費


Delivery/納期

 物流センターにおけるKPI : 入荷から在庫計上、受注から出荷までのリードタイム
 輸配送におけるKPI    : 配送リードタイム順守率

3PL事業者は、自らの業務改善のためにこのようなKPI管理を内部的に実施しています。そのため、荷主企業は、これらのKPI管理情報の報告を3PL事業者に依頼すればよいのです。
弊社の3PLサービスにおいても、上記のKPI管理は実施しておりますので、少しご紹介いたします。
ここでは、下表の中から各案件の業務特性に応じたKPLを選択して、KPIに基づく運営管理を行っています。

3pl_image7-1.png

この表に関しての詳細は、弊社にて毎月開催する

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評価の仕組みの整備(運用定例会議の開催)

ここまでは、3PL事業者へKPI管理情報の報告を依頼することをお薦めしました。次に、具体的にどのような形で進めていくかをお話します。

荷主企業と3PL事業者との間で、月1回/四半期に1回/年1回などサイクルは様々かと思いますが、なんからの運用定例会議を開催されていると思います。その会議の議題の1つとして、3PL事業者がKPI管理情報を報告する場を設け、あらかじめ定めておいたQCDに関するKPIの月別の推移を確認します。
こうしてKPIを定期的に確認することで、仮に品質が低下した場合や効率が低下した場合に、荷主企業と3PL事業者が一緒に原因と対策を協議する場があることで、課題解決に向けて両社で改善を推進する体制を構築することができます。

 

ブラックボックス化を防ぐ

最後に、3PL事業者に物流を委託してもブラックボックス化しないための工夫をお伝えしたいと思います。
自社の物流に関する知識が不足してしまうと、3PL事業者と一緒に改善に向けて取り組むことができなるため、ブラックボックス化しないことが非常に重要です。そのためには、先に記載した運用定例会の開催と現場監査の実施をお薦めします。

運用定例会議ではKPI管理情報の確認だけでなく、直近3ヶ月間の大口受注や新規商品出荷開始などのイベントの共有や繁忙期などの物量予測の共有、必要な情報の3PL事業者への提供など、荷主企業としても積極的に物流運営に参画します。
また、このような運用定例会議を物流センターで開催したり、定期的に現場監査を実施することも重要です。監査というと大げさですが、現場の作業状況や保管状況を荷主企業が自らの目で確認しておくことは、3PL事業者と一緒になって物流改善を進めるために必ず必要となります。

 

最後に

このコラムでは、3PL化を成功させるポイントを、以下の4つのフェーズに分けてお伝えしてきました。

  1. 1. 3PL事業者選択プロセスにおけるポイント【提案依頼フェーズ】
  2. 2. 3PL事業者選択時に評価すべきポイント【提案評価フェーズ】
  3. 3. 3PL立ち上げプロセスにおけるポイント【立ち上げフェーズ】
  4. 4. 運用開始後、継続的に3PLの効果を享受するポイント【運用評価フェーズ】

3PL化を検討中の荷主企業だけでなく、現在利用されている3PLサービスをうまく活用できていない荷主企業にとっても、有益な内容になるかと思いますので、ご参考にして頂ければ幸いです。

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