こんにちは。WMS:倉庫管理システム「SLIMS(スリムス)」を提供するセイノー情報サービスです。
バーコードを活用することで、倉庫管理の効率化を図れます。この記事では、バーコードを活用して倉庫管理をするメリット・デメリット、バーコードを用いて効率的に倉庫管理する方法などについて解説します。活用事例も紹介しているので、参考にしてください。
目次

バーコードの活用により倉庫管理の効率化が可能
WMSの概要やメリットについて解説します。
WMSとは
バーコードとは、バーとスペースの組合せにより、数字や文字などを機械が読み取れる形で表現したものです。倉庫管理では、JANコード、ITFコード、CODE39、CODE128、QRコード(二次元コード)といった種類のバーコードが利用されています。
倉庫管理は、これまで紙やExcelで行うのが一般的でしたが、ハンディターミナルを活用することで、情報を瞬時に読み取って効率よく管理できるようになります。ハンディターミナルを活用した倉庫管理は、食品業界、アパレル業界、製造業など、幅広い分野で実施されています。
その他のバーコードやRFIDの可能性
倉庫管理や物流の現場では、従来のバーコードに加えて、次世代の技術も注目されています。その一例がカメレオンコードです。カメレオンコードとは、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック(CMYK)の色の組み合わせで識別するバーコードのことです。カメレオンコードは、高精度の複数認識が可能な次世代カラーバーコードで、パレットや書籍に使用されています。
また、もう1つの注目技術がRFIDです。RFIDは、ICタグの情報を電波で読み書きする技術です。RFIDを使えば、離れた位置からでも一括で情報を読み取ることが可能です。RFIDは主にアパレル業界や医薬品、医療機器などの分野で活用されています。

バーコードで倉庫管理するメリット
バーコードを活用した倉庫管理には主に3つのメリットがあります。ここでは、その3つのメリットについて解説します。
正確かつ最新の在庫データが分かる
手作業で在庫を紙に記録する方法では、ヒューマンエラーが発生しやすく、正確な管理が難しい場合があります。しかし、バーコードを活用した在庫管理なら、専用機器でバーコードを読み取るだけで、在庫情報が即座にシステムに反映されます。そのため、入庫や出庫データを手入力する手間が不要となり、効率的かつ正確な在庫管理が可能です。
在庫データに関連する商品コード、ロット、消費・賞味期限、シリアルなどをバーコード化して利用しています。
作業効率がアップする
バーコードを活用した倉庫管理は、入出庫作業の効率を大幅に向上させます。入出庫時にロケーションとアイテムのバーコードを読み取るだけで、「どこに・何が・いくつあるか」を即座に把握できるようになります。また、前述のバーコードに加えて、ロケーションや作業者コードをバーコード化することで、作業効率をさらに向上させられるでしょう。
また、入力作業が手入力からバーコードの読み取りにすることで、棚卸においても商品照合、商品コードや数量の転記・入力、集計といった作業が減り、時間を大幅に短縮できるため、人件費の削減にも繋がります。
出荷精度がアップする
バーコードを活用することで、出荷作業においてデジタルチェックが可能になります。これにより、作業指示と異なる操作が行われた場合、アラート通知が発せられ、誤出荷を未然に防ぐことができます。手入力と比べて入力ミスが防止できることで在庫情報の正確性が向上し、業務全体の効率化にも繋がります。
このようにバーコードを導入することで作業品質の向上が図れるため、人に依存しない効率的な管理が実現します。
バーコードで倉庫管理するデメリット
バーコードで倉庫管理をする場合、デメリットも生じます。ここでは、2つのデメリットについて解説します。
バーコードの発行と貼付が必要
JANコードは仕入先でラベルを商品に貼付していることが多く、その場合はJANコードを流用できます。しかし、商品にバーコードラベルがない場合はバーコードの発行と貼付が必要です。ただし、小物やビニール梱包されている物など、商品の荷姿によってはラベルシールが貼付できないものもあり、すべてのアイテムにバーコードを貼れるわけではありません。そのため、バーコードの利用においては取扱商品の荷姿(入出荷時・保管時)を確認する必要があります。
システム費用がかかる
バーコードを利用するには専用システムが必要です。具体的にはハンディターミナルや、入力結果をシステムに反映させるためのソフトウェアがあり、利用には初期費用、運用費用がかかります。導入前に投資に見合うか確認しておくことが重要です。
バーコードを用いて効率的に倉庫管理する方法
バーコードを活用し倉庫管理を効率化する方法を紹介します。
ハンディターミナルでバーコードを読み込む
ハンディターミナルを使ってバーコードを読み取ることで、効率的な倉庫管理が可能になります。商品コードだけでなく、ロットや消費・賞味期限、シリアル、ロケーション、作業者コードなどもバーコード化して利用することで、迅速かつ正確なデータ入力ができます。ハンディターミナルはバーコードを読み取るための専用機器ですが、1回のスキャンで複数のバーコードを読み取れる機種や、文字を認識してデジタルデータに変換するOCR機能を搭載した機種もあります。
ハンディターミナルは、対応するバーコード、用途、画面サイズ、読み取り速度、使いやすさを比較して選びましょう。
倉庫管理システムの導入を検討する
バーコード管理を効率化するには、倉庫管理システムを利用する方法もあります。倉庫管理システムは、バーコードで読み取った情報を即座に反映するシステムです。入力操作を簡略化できそうな業務で活用することで業務時間の大幅な短縮が図れます。ただし、バーコードを利用する場合は、バーコードの用途や特徴などの規格を理解し、ハンディターミナルのなどの読み取り機器が対応しているかを事前に確認しておく必要があります。
関連コラム:WMSを導入するメリット
倉庫管理におけるバーコードの活用事例
倉庫管理におけるバーコードの活用事例を2つピックアップし、紹介します。
株式会社にんべん:トレーサビリティの確立、保管効率の向上
株式会社にんべんは、創業300年以上にわたって、高品質なかつお節を製造・販売している会社です。「つゆの素」(1964年)や「フレッシュパック」(1969年)は、いずれも日本初の製品で、ヒット商品として広く知られています。
<課題>
①ヒューマンエラーの解消
②賞味期限管理とトレーサビリティの強化
③在庫情報の可視化
<成果>
①ハンディターミナル作業による正確性向上(誤出荷ゼロ)
②賞味期限管理によるトレーサビリティの確立
③フリーロケーション管理による保管効率の向上
詳細の内容については、以下の記事をご確認ください。
関連コラム:WMSで賞味期限管理をシステム化、誤出荷大幅削減・トレーサビリティ強化
丸栄ニューウェーブ株式会社:在庫精度の向上、リードタイムを22%短縮
丸栄ニューウェーブ株式会社は、丸栄工業グループやデンソー、アスモなどの自動車部品メーカーと取引を行い、部品の取引・保管・配送を担当しています。岡崎市の物流センターでは、月間15万箱の部品を取り扱っています。同社は、デンソー式のトヨタ生産方式「TIE(Total Industrial Engineering)や現場改善活動「EF(Efficient Factory)」といった現場改善手法を取り入れ、物流サービスの品質向上に取り組んでいます。
<課題>
①誤出荷
②作業効率と作業負荷軽減(作業標準化)
<実施内容>
①部品箱コードをQRコード化
②自動車業界特有のカンバンもバーコード管理
③目視照合をハンディオペレーションに変更
<成果>
①誤出荷ゼロ
②生産性24%向上
詳細の内容については、以下の記事をご確認ください。
関連コラム:かんばん方式で、生産性24%向上・誤出荷ゼロ
まとめ
バーコードを活用した倉庫管理には、在庫管理の精度向上、作業効率の向上、出荷精度のアップといったメリットがあります。様々なコードをバーコード化する倉庫管理システムやハンディターミナルの導入により、効率的な倉庫管理が可能となります。
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