2025.6.9

フォワーダーとは?3PL・キャリア・乙仲などとの違いや事業者の選び方を解説【後編】

基礎から解説~物流アウトソーシング~

 

こんにちは。物流アウトソーシングサービス「物流業務クラウド」を提供するセイノー情報サービスです。
フォワーダーは国際物流において自社に合った輸送手段を提案してくれる重要なパートナーです。この記事ではフォワーダーの業務内容、選び方などを詳しく解説します。

 

目次

  1. 1. フォワーダーの業務内容

  2. 2. フォワーダーが重要な理由

  3. 3. フォワーダーの選び方

  4. 4. まとめ


 

フォワーダーの業務内容

フォワーダーの業務内容には、以下のものがあります。ここでは、輸出に関する内容を紹介します。

国際輸送の手配

フォワーダーは船舶や航空機を持たないため、船会社や航空会社に国際輸送の手配を依頼します。温度管理や特別な梱包が必要であれば、それぞれに適した輸送方法を選定します。具体的には提携先の船会社や航空会社とスケジュールを調整して貨物を運ぶスペースを予約し、貨物の積み込み・積み下ろしや輸送用のコンテナも手配します。


書類の作成・管理

送り状、梱包明細書、船荷証券のほか、輸出に必要な書類を作成、転記、管理します。フォワーダーは国際輸送や書類作成に関する専門知識があるため、荷主に代わり必要書類を作成することもあります。国際輸送に必要な書類の例は以下の通りです。

  • ・送り状(I/V:Invoice):
    輸出における売買契約の内容を示す書類であり、税関申告や通関、決済に用いられます。通常は荷主(輸出者)が作成しますが、フォワーダーが代行することもあります。
  • ・梱包明細書(P/L:Packing List):
    貨物の梱包状態や内容物の詳細を記した書類で、通関・物流・受領確認などに用いられます。通常は荷主(輸出者)が作成しますが、フォワーダーが代行することもあります。
  • ・船荷証券(B/L:Bill of Lading):
    貨物の運送契約書・受取証・貨物の権利証という3つの性質を持つ非常に重要な国際輸送書類です。船会社(キャリア)が作成します。フォワーダーが船会社と連携して必要な情報を提供し、船荷証券の発行を依頼します。
  • ・原産地証明(C/O:Certificate of Origin):
    輸出される貨物の原産地(どの国で生産されたか)を正式に証明する書類ですで、関税の優遇措置(FTA/EPA)や輸入規制の適用判断に使用されます。荷主(輸出者)が作成し、商工会議所やその他の認定機関で認証を受けます。フォワーダーが書類の作成をサポートし、認証機関との連絡を取り、認証手続きを代行することもあります。
  • ・船積依頼書(S/I:Shipping Instruction):
    輸出者(またはフォワーダー)が船会社またはフォワーダーに対して提出する、輸送手配のための指示書です。この書類をもとに、B/L(船荷証券)や通関書類が作成されます。通常は荷主(輸出者)が作成しますが、フォワーダーが代行することもあります。
  • ・貨物受取証(D/R:Dock Receipt):
    輸出貨物が船積み前に港やコンテナヤード・コンテナフレートステーションへ搬入されたことを証明する書類です。貨物を正式に預かった証明であり、後に発行される B/L(船荷証券)の基礎資料となります。通常はフォワーダーまたは船会社の代理人、または港湾業者(ターミナルオペレーター)が作成します。
  • ・輸出許可通知証(E/D:Export Declaration):
    税関に対する輸出申告が許可されたことを証明する書類で、貨物の正式な輸出が認められた証拠となります。通常は荷主(輸出者)が作成しますが、フォワーダーや通関業者が代行することもあります。


通関手配

税関での輸出申告、貨物検査対応、輸出許可の取得などの通関事務を荷主(輸出者)の代わりに行います。また、現地費用の計算、必要書類の作成、輸出関連の納付手続きも担当することがあります。なお、日本からの輸出には基本的には消費税や関税は課されませんが、特定の制度や例外的なケースでは関連費用が発生することもあります。


保管・梱包

輸出の際には、貨物が港や空港の保税地域(保税蔵置場など)に搬入され、通関手続き(輸出申告)完了まで保管されます。また、保税地域内の倉庫での仕分けや梱包作業も税関長の許可を得て行います。


目的地での配送の手配

輸出貨物が輸入国の通関手続き完了後に、鉄道やトラックなどを用いた現地国内輸送の手配も行います。
貨物は現地港または空港からコンテナヤードや倉庫、最終顧客まで配送されます。


貨物保険の手配

貨物の輸送中に発生する可能性のある損害に備えて適切な保険を手配します。選定から加入手続きまで代行しています。



 

フォワーダーが重要な理由

フォワーダーは、海外企業と日本企業の仲介をする国際物流のプロフェッショナル集団です。四方を海に囲まれている日本の貿易にとって、なくてはならない存在です。国際物流においては書類手続きや法律、規制などが複雑で自社ですべてを担うには時間も費用もかかります。
輸送手配や書類の作成、スケジュール管理などの業務をフォワーダーに代行してもらうことで、荷主の業務負担が軽減します。もし誤った書類を提出した場合、取引先に迷惑をかけるといったトラブルをはじめ、予期せぬリスクは免れません。フォワーダーであれば、国際法規や輸送中のトラブルにも適切に対応できます。
国際物流のノウハウを持たない企業にとって、フォワーダーは自社に合った輸送手段やルートを提案してくれる重要なパートナーです。


 

フォワーダーの選び方

ここでは、フォワーダーを選ぶ際に考慮すべきポイントをいくつかご紹介します。


得意分野が自社のニーズに合っているか

フォワーダーの得意分野を確認することが重要です。例えば、航空輸送、海上輸送、陸上輸送など、どの輸送方法に強みがあるかを見極めます。また、特定の地域や取り扱う貨物の種類(温度帯、危険物、重量物など)に特化しているかどうかも確認しましょう。自社の貨物や輸送先に合った業者を選ぶことで、効率的な物流が実現します。


他社と比べてコスト効率やメリットがあるか

複数社に見積もりを依頼し、コストやメリットを比較します。料金体系が明確で、コスト効率が良いかを確認することが重要です。また、輸送キャパシティ不足に備え、複数の業者との関係を構築しておくことも考慮しましょう。


船会社と良好な関係か

船会社との良好なネットワークを持っているかどうかを確認します。これにより、広い船内スペースの提供や柔軟な価格交渉が可能になります。連携している船会社の経営状況も確認しておくと安心です。


拠点数や輸送ルートが多いか

海外拠点の数や輸送ルートの多さを確認します。日本人オペレーターが常駐しているかどうかも重要です。これにより、豊富な輸送ルートと迅速なトラブル対応が可能になります。


デジタル化と付帯サービスがあるか

基本的な業務に加え、デジタル化による付帯サービスも重要です。例えば、貨物の輸送状況をリアルタイムで確認できるシステムなどがあります。どのような付帯サービスが提供されているか、そのレベルを確認することが大切です。



 

まとめ

国際物流の複雑な手続きを一括して管理し、荷主の輸出業務を代行するフォワーダーについて、その業務内容や選び方などを詳しく解説しました。フォワーダーを利用する際は、トータルのコストや輸送にかかる時間、取り扱う貨物のボリュームやトラブル対応力などを考慮し、自社のニーズに合ったフォワーダーを選ぶことが重要です。



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このコラムの監修者
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