2023.10.3
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WMS・WES・WCSの違いとは?それぞれの特徴や連携イメージを解説

基礎から解説~倉庫の管理方法とシステム~

 

WMS・WES・WCSはマテハンやロボットの活用に欠かせないシステムです。
当コラムでは3つのシステムについて特徴や必要性、期待される役割を分かりやすく解説します。

 

目次

  1. 1. 自動化に欠かせないシステム WMS・WES・WCS

  2. 2. 複数の設備機器を活用する場合の物流システム

  3. 3. WMS(倉庫管理システム)とは

  4. 4. WES(倉庫運用管理システム)とは

  5. 5. WCS(倉庫制御システム)とは

  6. 6. まとめ

 

コラムのポイント

  • ・マテハンやロボットの活用を促進する物流システムのモデル
  • ・今後WMS・WES・WCSが必要不可欠になってくる理由

 

自動化に欠かせないシステム WMS・WES・WCS

人手不足への対策として、ロボット・マテハンを積極的に活用する企業が増えています。
ケース類の保管・出庫は自動倉庫、バラはGTP(棚搬送型ロボット)、出荷バースへの搬送はAGV(無人搬送機)といったように、複数のロボット・マテハンが併用されることも少なくありません。

このような物流現場の自動化を支えるのは3つの物流システムWMS・WES・WCSです。

  • ・WMS(倉庫管理システム):倉庫(物流センター)内の業務の管理とヒトへの作業指示
  • ・WES(倉庫運用管理システム):WMSとWCSをつなぐインタフェースとして、複数のWCSや設備を統合管理
  • ・WCS(倉庫制御システム):倉庫内で活用される設備機器を制御・監視

 

複数の設備機器を活用する場合の物流システム

物流現場の自動化に向けて複数の設備機器を導入したい(している)場合、物流システムはWMS・WES・WCSの複合モデルがおすすめです。 どのようなモデルなのか、事例をベースにご紹介します。

 

運用の流れ

ある現場では、在庫の保管・出庫作業に自動倉庫とAGF(無人フォークリフト)を活用しています。
自動倉庫からある商品をパレット出庫した後、それをAGFで仮置きゾーンまで移動させます。

 

3つのシステム

この運用を実現するシステムは3つ、倉庫全体を管理し基となる指示を出すWMS、各種設備機器に作業指示を出すWES、そして設備機器を細かく制御するWCSです。 それぞれのシステムがどのようなシーンでどう機能するのか、運用と共に見てみましょう。

WMS、WCS、WESシステム連携イメージ
 

運用と各システムの役割

まずWMSは商品の出荷指示をするために判断をします。
商品Aは人が保管・ピッキングをするエリアにあるので人への指示を、商品Bは自動倉庫に保管されているためWESに、商品Bをいくつ出荷するのか指示をします。 各設備機器への具体的な指示はWESが管理するため、WMSからはシンプルな指示が1つ出るだけです。

WESはまず自動倉庫用WCSに出庫の指示を出します。 自動倉庫用WCSは出庫指示を受け取ると、自身が持っている情報をもとに在庫を引き当て、商品をステーション(取り出し口)に運びます。 WCSは出庫するステーション番号No1.をWESへ返します。

WESは自身が持つ仮置きゾーンのロケーション情報から空いているロケーションをその作業に引き当てます。 そしてAGFのWCSに対して「自動倉庫のステーションNo.1へ商品Bを取りに行き、仮置きゾーンのロケーション○番へ搬送する」という2つの指示を出します。
AGFが指示通りに2つの作業を終えると、WESは該当商品の出荷実績数と仮置きゾーンのロケーション番号をWMSに報告します。 その情報を元に、WMSは倉庫全体の在庫情報を更新します。

走行経路にシャッターが設けられている場合、その開閉もWESで制御します。 AGFからWESに「シャッターに近づいている」ことが通知され、WESの指示に従ってシャッターが開きます。 AGFが通過した後は「シャッターから遠ざかっている」ことが通知され、シャッターが閉じます。


この事例では、WMS・WES・WCSが役割を分担して設備機器へ指示を出したり動きを監視したりしています。
各システムがどのような役割を担っており、なぜ必要なのか、次の章で詳しく解説します。



 

WMS(倉庫管理システム)とは

WMSとは倉庫管理システムのことでWarehouse Management Systemの頭文字をとった略称です。
倉庫(物流センター)内の業務をマネジメントすると共に作業精度の向上と効率化を支援します。

 

WMSの主な機能

WMSは入荷管理・出荷管理・在庫管理・進捗管理という4つの機能でヒトの作業をサポートします。
入荷管理・出荷管理機能は、それぞれ入荷・出荷作業が正確かつ効率的に行われるよう支援します。 作業の様子は進捗管理機能によってリアルタイムに確認できます。 また入出荷によって増減した在庫の数や場所、ロット№を把握するのが在庫管理機能です。


WMSに関する詳しい解説はこちら


 

WES(倉庫運用管理システム)とは

WESとは倉庫運用管理システムのことでWarehouse Execution Systemの頭文字をとった略称です。
先の通りWMSと複数のWCSをつなぐインタフェース役であり、設備機器の統合管理役を担っています。

 

WESの主な機能

WESはWMSなど上位システムからの指示を基に、各WCSへより具体的な指示を出します。
先の事例では、自動倉庫には商品の出庫指示、AGFには行先を指定しての搬送指示を出し、その結果をWMSへ報告していました。 さらに作業の進捗状況などをリアルタイムに可視化するモニタリング機能や、設備機器の稼働実績を蓄積して一括管理することもできます。

当社でもWESとしてロボットマネジメントシステム「RMS」を提供しています。 RMSは多種多様なロボット・マテハン・デバイスを集中管理・コントロールし、業務全体の生産性向上を実現します。


ロボットマネジメントシステム「RMS」の詳細はこちら

 

WESはなぜ必要か?

設備機器を追加するには、システム環境の整備も必要です。 これは上位システムとWCSがシステム連携するための準備や、上位システム側にWCSへ指示を出す機能を持たせることを指します。
例えばWMSとWCSを直接つなぐなら、WMSのカスタマイズが必要です。
WMSは多くの機能を備えた「大きなシステム」になりつつあるため、改修にはコストと時間がかかります。 WESはWMSより「小さなシステム」ですので、改修のコストや時間を抑制できます。 様々な設備との連携実績を持つWESなら標準で供えた機能も多いでしょうから、改修はさらに少なくて済みます。


WMS
(倉庫管理システム)
WES
(倉庫制御システム)
システム連携の準備 ・設備を追加する度に発生 ・連携実績があれば
 比較的簡単に連携可能
指示機能やモニタリング機能の追加 ・カスタマイズして多くの機能追加が
 必要
・標準機能として備えた機能を活用
・不足分のみカスタマイズして追加
カスタマイズにかかるコストと時間


 

WCS(倉庫制御システム)とは

WCSとは倉庫制御システムのことでWarehouse Control Systemの頭文字をとった略称です。
自動倉庫などのマテハン、GTP(棚搬送型ロボット)やパレタイザーといったロボットなど、倉庫内で活用される設備機器の制御・監視を担うシステムです。

 

WCSの主な機能

WCSの機能は、実行制御系と監視系の2つに大別できます。
実行制御系の機能としては指示投入・設備制御がすることに加え、「指示を出すために必要な情報」の管理もします。
「指示を出すために必要な情報」は設備機器によって異なります。 自動倉庫やGTPなど在庫保管機能を持つ設備のWCSはロケーション情報まで含めた細かな在庫情報を持っていますし、搬送ロボットのWCSはマップ管理機能や各個体に関する情報(スペックや管理番号など)を持っています。

監視系は、設備機器の稼働状況を可視化し閲覧するモニタリング機能を指します。 どの設備機器にどのような指示が出ているのか、どのロボットが・どのような状態で・どこに居るのか、作業進捗はどうなっているかを確認することができます。

 

作業の正確性・効率を支えるWCS

WCSの設備制御によって、作業が正確かつ効率的に行われます。
例えば搬送ロボット。 1つの作業現場に複数台導入されますが、どの個体に・どの棚を・どのステーション(作業間口)へ持って行かせるのか「作業の振り分け」を行うのはWCSです。 さらにWCSによる制御が適正でないと遠くにいるロボットに作業が割り振られて「待ち」が発生、生産性が低下してしまう可能性があります。
このように通常は意識しない、WCSの情報管理・作業指示によって「作業が上手くまわる」状態が実現されているのです。

WCSによる作業振り分けのポイント

まとめ

物流現場の自動化に向けて複数の設備機器を導入していきたい(している)場合、物流システムはWMS・WES・WCSの複合モデルがおすすめです。


WMS(倉庫管理システム)
・倉庫(物流センター)内の業務マネジメントを支援すると共にヒトとWESへ作業指示を出す
WES(倉庫運用管理システム)
・WMSとWCSをつなぐインタフェースとして、複数のWCSを統合管理
・複数の設備機器に対して稼働指示を出す
WCS(倉庫制御システム)
・倉庫内で活用される設備機器を制御・監視
・管理対象となる設備機器に対して稼働指示を出す

WMSとWCSだけでも設備機器を活用することは可能ですが、WESがあることでWMSのカスタマイズにかかるコストと費用を抑制できます。

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