2026.3.26

物流のTCとDCとは?その他の物流センターの種類も解説

いまさら聞けない物流用語

 

物流センターは、サプライチェーン全体を支える重要な拠点です。メーカーから小売業、さらには消費者に至るまで、物流センターは各プロセスで重要な役割を果たしています。この記事では、物流センターの基本情報や業務フローをはじめ、物流のTC(トランスファーセンター)、DC(ディストリビューションセンター)、その他の物流センターの種類についても解説します。物流について知識を深めたい人は、参考にしてください。

 

目次

  1. 1. 物流センターとは

  2. 2. 物流センターの業務フロー

  3. 3. 物流のTCとDCとは

  4. 4. TCとDC以外の物流センター

  5. 5. 「立地別」物流拠点の種類

  6. 6. 物流戦略における拠点配置とセンター選定の考え方

  7. 7. まとめ


 

物流センターとは

物流センターは、商品の入荷から保管、ピッキング、包装・梱包、出荷までを担う拠点です。販売計画や出荷スケジュールを踏まえながら、セット組みやラベル貼付などの流通加工、品質を確認する検品作業なども行います。こうした機能によって、商品の円滑な流通が支えられています。

運用形態には、自社で管理・運営する方法と外部へ委託する方法があります。自社運営は、商品特性や事業戦略に合わせて柔軟な物流体制を構築できる反面、設備投資や人員確保など初期費用の負担が大きくなります。 外部委託の場合は、設備や人材を自社で抱える必要がなく、固定費を抑えられる点がメリットです。ただし、業務品質や対応範囲が委託先に依存するため、自社の要件によっては運用面で制約が生じる可能性もあります。

物流倉庫との違い

物流倉庫と物流センターは、一見すると似た施設に思えますが、その役割や機能には明確な違いがあります。
物流倉庫は、商品を適切な環境で保管し、在庫数量や品質、保管状態を管理する施設です。いわば「保管機能」に特化した拠点といえます。
これに対して物流センターは、保管に加えてピッキングや流通加工、出荷指示管理、配送手配といった出荷関連業務まで行います。出荷までの一連の業務をまとめて担い、流通を円滑に進めている点が大きな違いです。


 

物流センターの業務フロー

物流センターの業務フローは、「入荷〜保管〜出荷」を基本とする一連のプロセスで構成されています。各プロセスが適切に連携することで、在庫精度や出荷品質が保たれます。
以下では、一般的な業務フローに沿って順に解説します。

1.入荷・入荷検品

仕入先から納品された商品を受け取り、数量や品番、破損・欠品の有無を確認します。問題がなければ在庫データへ反映し、不備があった場合は速やかに仕入先へ報告します。正確な入荷処理は、その後の在庫管理や出荷業務の精度を左右する重要なプロセスです。

2.保管

入荷した商品は、出荷指示が出るまで倉庫内で保管します。商品の特性に応じて温度・湿度を管理し、適切なロケーションに配置します。また、入出庫に伴う在庫数量やロケーション情報を正確に更新・管理することも重要です。

3.ピッキング

ピッキングとは、出荷オーダーに基づいて必要な商品を倉庫内から取り出し、集める作業です。物流センター業務の中では最も作業負荷が高く、効率化が重視されるプロセスの一つです。

4.流通加工

流通加工とは、販売形態や顧客要件に合わせて付加価値作業を行うプロセスです。タグ付け、セット組み、組み立て、ハンガー掛けなどが代表例です。商品価値を高める役割を担う点が特徴です。

5.出荷検品

ピッキングされた商品が、注文内容(品目・数量・納品先など)と一致しているかを確認します。誤配送を防止するための最終確認のプロセスであり、バーコード照合などの仕組みを活用して精度向上を図ります。

6.包装・梱包

輸送中の破損や汚損を防ぐために、適切な資材を用いて商品を包装・梱包します。商品の特性や配送条件に応じた方法を選択し、あわせて異物混入防止や安全管理の徹底も重要となります。

7.出荷

内容・数量・配送先を最終確認したうえで、運送送り状を貼付し、トラックへ引き渡します。積み込み時には、荷崩れが起きないよう積載方法にも配慮します。

ただし、これらの業務がすべての物流センターで同じ比重で行われるわけではありません。在庫を保有せず通過機能に特化した「TC(通過型センター)」と、在庫を保有し需給調整機能を担う「DC(在庫型センター)」では、重視されるプロセスやオペレーション設計が大きく異なります。次章では、その違いについて詳しく解説します。


 

物流のTCとDCとは

TC(トランスファーセンター)とは

TCは、原則として在庫を長期間保有せず、商品を通過させることを目的とした物流センターです。
商品の入荷後、積み替えや仕分けを行い、速やかに出荷する機能に特化しています。

保管プロセスを最小限に抑えることで、在庫コストの削減やリードタイムの短縮が可能となり、大量の商品を効率よく処理できます。ただし、入荷と出荷が同時並行で進むため、正確な需要予測やリアルタイムでの情報共有、関係先とのスムーズな連携が不可欠です。その特性から、迅速な配送が求められるコンビニエンスストアやスーパーマーケット、量販店などの物流で広く活用されています。

DC(ディストリビューションセンター)とは

DCは、在庫を一定期間保管することを前提とした物流センターです。入荷した商品を保管し、受注に応じて出荷することを主な役割としており、一般的な物流倉庫に近い機能を備えています。
あらかじめ在庫を確保することで、需要変動に柔軟に対応できます。その結果、迅速な出荷体制を構築できる点がメリットとです。適切な在庫を維持することで、欠品を防ぎつつ、サービスレベルの向上も実現できます。ただし、TCに比べて設備が大きくなりやすく、運営コストも高くなる傾向があります。


 

TCとDC以外の物流センター

物流センターには、TCやDC以外にも、機能や目的に応じてさまざまなタイプがあります。ここでは、代表的な種類を紹介します。

PDC(プロセスディストリビューションセンター)

PDCは、在庫を保管するDCの機能に、加工・組立などの流通加工の機能を組み合わせた物流センターです。商品を保管しながら、付加価値を加えて出荷できる点が特徴です。

たとえば、食品のカットや計量、セット組み、組立などをセンター内で行うことで、店舗の作業負担を軽減できます。工場の機能を兼ね備えているため、品質管理を徹底しながら効率的な出荷体制を構築できます。ただし、加工設備や衛生管理体制などの専門的な環境が求められることから、初期投資や運営コストが比較的高くなりやすい点には注意しましょう。

PC(プロセスセンター)

PCは、加工業務に特化した物流センターです。仕入れた商品を加工し、短時間で店舗や納品先へ配送します。 PDCとは異なり、原則として在庫を長期間保管しない点が特徴です。食肉や鮮魚の加工、計量、パック詰めなどの業務をセンターに集約することで、店舗での作業負担を軽減する役割を担います。
また、衛生管理や品質管理をPCで一元化できるため、安定した品質水準を維持しやすい点もメリットです。

PDCが保管と加工の両方を担うのに対し、PCは加工機能に特化している点が大きな違いです。

TCとDC

 

「立地別」物流拠点の種類

物流拠点の役割は、機能だけでなく立地によっても大きく変わります。ここでは、立地の観点から物流拠点の種類を整理します。

生産立地型

生産立地型とは、生産拠点の近くに設置される物流センターです。生産と保管・出荷を近接させることで、輸送コストを抑えられる点が特徴です。製造業の原料や建築資材、アパレルなど、工場と物流の連携が重要な分野で多く採用されています。

消費立地型

消費立地型とは、納品先や消費地に近い場所へ設置される物流センターです。発注から納品までのリードタイムを短縮できるため、生鮮食品の配送や、即日配送サービスなど、スピードが競争力となる分野に適しています。


 

物流戦略における拠点配置とセンター選定の考え方

物流戦略における拠点配置とセンター選定は、単なる施設選びではなく、サプライチェーン全体の最適化に直結する重要な意思決定です。サービスレベルやコスト水準、リードタイムなどの戦略方針を明確にし、最適な拠点網を設計する必要があります。選定時は立地条件や交通アクセス、施設・設備水準、保安体制、物量変動への対応力を総合的に評価し、商品特性や商流構造も踏まえて検討します。さらに、現地視察を通じて運用実態を把握することも重要です。
近年では、物流コンサルティングサービスを活用する企業も増えています。拠点配置シミュレーションやコスト分析を通じて客観的な選択肢を提示してもらうことで、戦略に基づいた合理的なセンター選定が可能になります。専門家の知見を活用しながら、自社戦略と整合した判断をすることが、物流の最適化につながります。


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まとめ

物流センターは、入荷から出荷までの一連の業務を担い、サプライチェーン全体を支える中核的な存在です。なかでもTCは在庫を持たず通過機能に特化し、リードタイム短縮や在庫削減に強みがあります。一方、DCは在庫を保有し、需要変動に対応しながら安定供給を実現します。さらにPDCやPCなど、機能に応じた多様な形態も存在します。重要なのは、自社の商品特性や商流、求めるサービスレベルに合わせて最適な拠点形態と立地を選定することです。戦略的な拠点配置こそが、コスト競争力と顧客満足度の向上を両立させる鍵となります。



このコラムの監修者
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セイノー情報サービスは400社以上へのWMS導入を通して培った物流ノウハウをもとに、お客様の戦略立案や物流改善をご支援しています。
当コラムは、経験豊富なコンサルタントやロジスティクス経営士物流技術管理士などの資格を持った社員が監修しています。
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