2020.8.28
  • 物流改善
  • 生産管理

<第2話>製造前物流支援

ロジの素 調達・生産物流の課題と改善の方向性

1.製造前物流支援

早川:1つ目は、「製造前物流支援」です。これは、製造業のお客様の製造ラインの一歩手前、いわゆる第一工程を支援するものです。

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図2 当社の提供する調達物流サービス(製造前物流支援)

早川:ここでの課題領域は、調達や購買、輸配送などいくつかあると考えられますが、当社は大きく3つの支援モデルを考えています。それは、「外部倉庫集約モデル」「工場前段取り集約モデル」「輸出入機能集約モデル」です。

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図3 製造前物流サービスの変革モデル例

早川:ここで非常に重要なのは、変革後の工場では生産業務しか行っていないという点です。つまり、変革前に見られる前段取りの業務や保管業務などをすべて外部に委託することで、工場はコア業務に集中でき、15%あるいは25%といった高いコスト削減の効果が得られるのではないかと考えられます。また、将来的には、工場には不具合のあるものを絶対に持ち込まないということも可能だと考えています。例えば製造前では、AIと画像技術を活用して製品の不具合を発見し、品質を担保した状態で工場に納入するということも当社のサービスで検討しています。



山田:私も生産技術なども経験し、工場の生産にも携わったことがあります。その立場から考えますと、この変革により工場が生産に集中できるということは、非常にメリットがあることではないかと思います。実際に工場側では、納品の検品や検査、不良による事後処理などが意外と多く、これらが製造工数の圧迫やコスト増につながるということが多々発生しております。
私の物流子会社での経験ですが、このような状況に対して、物流会社として生産工場に「こういったサービスを我々に任せてくれたらこれだけコストが下がる」と話をして、従来もらえていない仕事を物流会社として製造工場からもらってきて展開したことがあります。今のこの「製造前物流支援」というのは、それにとても近いアイデアですし、製造側としてこのサービスは喉から手が出るほど求めていると思いますし、実現すればかなりのコストダウンが見込めるのではないかと思います。



早川:製造前物流支援では、拠点集約や輸送の集約など物流と製造を分離する方法があります。その他にも、製品には不具合はないが通い箱の不具合や異物混入などにより製造ラインに不具合が生じるということもあると思います。そういった部分へもIoT技術で対応することで付加価値のあるサービスが提供できるのではないかと考えています。



山田:早川さんがおっしゃった輸送機能の集約モデルでは、海外のベンダーに御社の外部倉庫から物が運ばれるのですが、それを海外だけではなくて国内のサプライヤーに対しても影響力を出していただくとさらに3つの効果(製造前段取りの効率化・工場内物流作業の省力化・リードタイムの短縮)が増加するのではないかと思います。



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