2020.8.31

<第3話>調達手配支援

ロジの素 調達・生産物流の課題と改善の方向性

2.調達手配支援

早川:調達手配支援の一番のポイントは、当社と製造メーカーが生産計画を共有できるかどうかです。ここでは、当社のLMS-PSIというロジスティクスPSI、P:プロダクション(生産)、S:セールス(販売)、I:インベントリー(在庫)の情報を連携をするシステム=プラットフォームを活用します。

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図4 当社の提供する調達・生産物流サービス(調達手配支援)


早川:図のマネジメントセンターと製造メーカーの各部門(調達・生産・販売)が情報連携することにより、未来の在庫を可視化ができるようになります。これにより、当日の手配ではなく将来の手配が可視化され、各調達先からの納入のプランニングも現在より効率よく行うことができます。または、計画の修正・変更もこのプラットフォーム上で行うことにより、高頻度な修正サイクルでオペレーションできるのではないかと考えています。さらには、当社が一番得意とする調達・生産情報を物流情報に置き換える技術により、商流上の調達情報を重量や嵩(かさ)、納入頻度、ロットサイズに展開し、調達先とのやり取りを行います。これにより、調達先との物流の不透明さも解消され、ギャップが明らかになるのではないかと考えています。
長らくメーカーにお勤めになっている山田さんはどうお考えでしょうか?

山田:この調達手配支援は、最新のロジスティクス4.0に適応した内容であると思います。この支援により、製造業者にとってインダストリー4.0の推進にも非常に役に立つことではないかと思います。
特に生産計画を開示していくことは、物流業者と製造業者がいかに信頼関係を持つことができるかがベースにあり、そのベースを作ることで様々な利益や信頼を物流業者が仕事で示すことになります。そして、良いサイクルが回っていくことで理想的な生産活動ができ、大幅なコスト削減につながるのではないでしょうか。

早川:以前、様々なメーカーにお邪魔しお話を伺いますと、販売物流は可視化できているけれども、調達物流は川上に行けば行くほど情報が不透明で可視化されていないとよくお聞きしました。詳しく聞いてみますと、販売物流は80~90%近く可視化できているのですが、調達物流は25~35%も可視化できていない、霧が晴れていない状態だそうです。山田さんは経験上いかがでしょうか?

山田:販売物流の重要性は顕在化し重きを置かれてきているため、一生懸命、改善に取り組まれていると思います。しかし調達物流は、部品コストの中に調達物流コストと製品の製造コストが混在しており、なかなか正確なコストが見えにくい構造となっているのが現状です。このように難解な部分をプロに任せることにより、調達にかかるコストと本来の製造にかかるコストとの分離が可能になれば見える化にも繋がり、とても大きな効果が得られるのではないかと思います。

早川:財務上、損益計算書では、販管費や物流コストは明らかになりますが、製造原価の中の物流コストはなかなか明らかになっていない部分がありますね。

司会:製造業の方々から見ると、在庫計画や調達計画、調達業務は業務のすごくコアな部分ではないかと思うのですが、この部分を外部に委託するということに対しての不安や、それを払拭するようなアイデアはありますか。

山田:基本的にはお互いの仕事を行う上で、契約の中で機密保持などをしっかりと締結することですね。また製造業者としては、本当に言ったことを実現してもらえるのかというところに不安を持つのではないかと思いますので、物流業者としては知らされた在庫計画、生産計画を確実に実現して、フィードバックをかけるかがポイントです。

司会:そのためは共通化するITインフラや情報共有が重要だということですね。

山田:そうですね。共通プラットフォームが必要になってくるのと思います。

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