2021.1.29
  • 物流改善

<第3話>本社物流部による運営管理事例

大手企業にみる、物流改善に成功する方法 物流運営管理の高度化

 

今回は事例をベースに、本社物流部で行うべき管理についてご紹介します。

データ分析による改善

輸送機能を持つ物流事業者のデータ分析事例をご紹介します。
この企業の本社管理部は、長年の経験から「取り扱う物量の少ない時期は、生産性が低下する」と感じていました。改善の可能性を探るため分析を行ったところ、以下の2つの傾向が見られました。

  • ・物量が減少する時期に、生産性が低下する(経験値を客観的データで立証)
  • ・但し地域によって、低下に強弱がある
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そこで、以下の2つの改善策を実施しました。

  • ・低下傾向の強い地域をピックアップ
  • ・但物量を予測し、稼働させる車両台数を調整

このような活動で重要なのは、本社物流部門がこの改善を主導することです。データ分析自体はコンサルティング会社やIT会社でも行えますが、何を分析すべきか、どのような改善策を行うかは、社外にもAIにも代替えの出来ない重要な役割なのです。

物流体制の変更による売上への貢献

荷主企業を悩ませる課題の1つに、「集荷」があります。
「もっと遅い時間がいい」「複数回集荷に来て欲しい」といった要望が実現することは少なくなり、逆に「もっと早く集荷に来たい、そうでなければ運べない」と言われることすら出てきました。

そこで、輸送機能を併せ持つ倉庫を利用することで、「集荷」は同じ施設内で移動させる作業となり、運送会社と交渉できる可能性が出てきます。これにより、受注の締め時間を遅らせることができれば、受注を増やせる可能性もあります。

これは少し極端な例ですが、企業にとっての物流は、営業戦略にも影響を与える重要な機能です。本社物流部の役割は、自部門の物流体制が最適か検討することでした。しかし、今後は、自部門だけではなく、自社の経営方針や営業戦略も意識することが求められます。特に、昨今は変化のスピードがより一層激しくなっているため、体制変更の検討は常に重要課題として意識しましょう。

投資計画の立案

自社物流を強化するための投資計画を立案するのは、本社物流部の重要な役割です。自社の方針に従い目標を設定し、どうなることを目指すのか、どこをどう強化するのか、いくら投資するのか、など計画を立てます。

投資対象の1つが、マテハンです。
省人化省力化の流れを受け、各社が積極的にマテハンへの投資を行っています。
以下は、日本ロジスティクスシステム協会が国内主要物流システム機器メーカーを対象として行った、物流システム機器(マテハン)の売上金額調査です。これを見ると、2019年度は、2015年度の1.4倍(1.5億円増)に成長しています。

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出展:2019年度 物流システム機器生産出荷統計【概要版】
(日本ロジスティクスシステム協会、日本物流システム機器協会)

その中でも搬送機系(台車系、コンベヤ系)の比率が年々高くなっており、弊社でもAGV(※3)活用の引き合いが増えました。私どもセイノーグループでも活用しています。



 ※3 AGV(Automatic Guided Vehicle):無人搬送車

 

導入事例(AGVの活用)

濃飛西濃運輸では、将来の人手不足に備えロボットの活用を進めています。
ここでは、既存アセット(倉庫、カゴ車などの既存搬送機器)を活かすという方針と投資金額の点から、大規模な自動化設備導入ではなく、「人とロボットが協働する物流センター」を目指しています。

まずは、本当に「人とロボットの協働」が可能かを小規模に確認したいという意向から、AGVを曜日限定で行っている作業にのみ導入しました。
結果、協働可能なことと活用方法について手触り感が持てたため、現在は、適用する作業を増やすための検討を進めています。

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投資計画の立案では、何にいくら投資を行い、どうなることを目指すのかを明確にする必要があります。また、「なぜ今行うのか」の説明ができることも重要です。
濃飛西濃運輸が「なぜ今行うのか」というと、余裕があるうちに、協働できる体制を整えておきたいからです。改善の取り組みは一朝一夕では成功しないため、長期的な目線で、自社の物流方針を設定することは大変重要なのです。しっかりと目標を定めた上で、計画的な投資計画を立案しましょう。

次回は、現場での管理について、最新技術の活用方法を交えご紹介します。

AGVなどのマテハンに限らず、AIなど最新技術の活用について、既存のお客様限定ではありますが、研究成果発表会や事例紹介セミナーを行っています。定期的に開催していますので、ご興味がございましたら是非ご参加ください。

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