2024.10.4
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地域物流の活用でCO2排出量を削減 ~物流におけるSDGsへの取り組み~

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企業名
大阪シーリング印刷株式会社
カテゴリ
アウトソーシング
企業規模
連結:4,633名 単体:3,227名 (2024年1月)
業種
製造業
売上高
連結:1,076億2,900万円 単体:955億6,600万円(2024年1月)
事業内容    シール・ラベル、フィルム製品、紙器パッケージの製造・販売およびラベリングシステムの販売

お客様の概要

大阪シーリング印刷株式会社様は、1927年大阪府大阪市に創業された総合パッケージ企業です。1961年に台紙から剥がして貼る現在のシール製造の特許「不乾燥粘着糊付レッテル製造方法」を取得され、日本で初めて本格的なシール製造をスタートされました。現在では、シール・ラベルのほかに、フィルム、紙器パッケージ、販促ツールの企画・デザインまで事業を展開し、ワンストップサービスでの提供を強みとされています。特にシール・ラベル製品では、スーパーやコンビニに並ぶ食品をメインに、電車の窓や自動販売機に貼られているステッカー、宅配便の送り状やバーコードなど身の回りにある様々なものを手掛けるなど、国内のシール・ラベル市場においてシェア3割を占め、業界トップを誇っています。そして、製品の高品質かつ安定供給を実現するために、グループ内で資材調達、シール・ラベルの原紙や印刷周辺機器の開発・製造、ラベリングシステムの設計、研究開発に至るまで多岐にわたり展開されています。


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SDGsへの取り組み

大阪シーリング印刷様はSDGsの取り組みも積極的に推進されています。グループ企業全体で温室効果ガス削減に向けた重点項目と目標値を掲げ、これに向けた活動を実践することで業務を合理化し、資源エネルギー使用量の抑制や材料ロスの削減を行われています。さらにプラスチックの使用量を削減した製品開発とプロセスの改善を図ることで、環境負荷軽減に取り組まれています。


  1. デジタル印刷

    印刷版を使用しない印刷方法で、版やインキの廃棄物、制作工程における温室効果ガスや廃液の排出量、不要在庫や原紙ロスなどを削減。また水性インキジェット印刷の活用によりCO2排出量も削減します。

  2. ノンソルラミネート加工の採用

    ラミネートのおよそ半数を溶剤不使用のノンソルラミネート加工へ置き換えを進められています。有機溶剤に起因する環境への負荷(CO2・VOCの排出)を大きく削減しています。

  3. ガスコージェネレーション設備の導入

    都市ガスを燃料に電気を発電しながらも、排熱を有効利用する設備です。省エネルギーやCO2排出量削減など、環境負荷低減とBCP対策(事業継続計画)の強化も図っています。

  4. これらの取り組みの1つとして、物流に関わるCO2の排出量削減にも注目されていました。

物流の2024年問題への対応が急務

近年、サプライチェーンを支える企業間の物流では、労働力・トラック不足とドライバーの時間外労働規制により、物流サービスの供給が需要を大幅に下回る「物流クライシス」という状態が深刻化しています。また、燃料価格の高騰に伴い、製造業、運送業者のコストも増加し、経営も圧迫しています。この「物流の2024年問題」に対応するためには、限りある輸送能力(積載能力)を最大限に活用しなければいけません。

 

セイノー情報サービスの2024年問題への取り組み

セイノー情報サービスでは、この物流品質や配送コストの維持が難しくなることへの対応として、地域物流オープンプラットフォーム(商流需給・物流需給プラットフォーム)を活用した配送計画サービスを提供しています。これは、混載可能な商品、同一方面への発送を組み合わせる「共同輸配送・積み合せ貸切輸送」です。同社の発送拠点である岐阜県内の物流データ(輸送量・方面・混載可能であるかなど)を分析し、その中で同じ日付・同じ方面・混載可能な商品でトラックの荷台に空きスペースがある場合に、他社の物流との組み合わせることで積載率を上げる輸送方法です。また、積載率を優先することで輸送頻度が低くなっている場合、輸送ロットを小さく(中ロットに)し、他社の物流と組み合わせることで輸送頻度を高くします。こうして輸送頻度が高くなれば、お客様のお客様へのサービスレベルアップにも繋がります。そして、この「共同輸配送・積み合わせ貸切輸送」により無駄な輸送が削減されることで、輸送コストの削減だけでなくCO2排出量も抑制され、環境問題にも貢献できるのです。


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図1 地域物流オープンプラットフォームの活用イメージ

サービス導入前の課題

大阪シーリング印刷様では、トラック1台を貸し切って輸送する貸切便を使われていましたが、積載率は50%程度しかありませんでした。輸送コストはそれほどかかっていなかったものの、社内でSDGsへの取り組みが盛んであることから、トラックの半分が空いた状態で輸送されていることを見直す活動を模索されていました。
そこで、弊社の「共同輸配送・積み合わせ貸切輸送」によるドライバーの負荷軽減やCO2削減への取り組みに関心を持たれました。

配送計画サービス 導入後の業務の流れ

荷主である大阪シーリング印刷様から弊社マネジメントセンターへ運送依頼を送付いただくと、マネジメントセンターにて運送依頼を受付し、配送計画及び運送便の手配を行います。運送手配が完了すると、大阪シーリング印刷様へ「ドライバーが決定しました」と通知が入ります。そして、納品が完了し運送事業者が運送実績を入力することで完了確認ができます。これらの連絡や情報の確認は当社のコミュニケーション型タスク管理 BIZBOで管理されており、パソコンやスマホからWebでリアルタイムでの通知・確認をしていただけます。


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図2 運送依頼から納品までの運用


また、輸送状況を問合せしたい場合や輸送時に自然災害等が発生した場合も、大阪シーリング印刷様及び運送事業者からの連絡は全て弊社のマネジメントセンターにて受け付けています。内容の確認、運送事業者への指示、結果報告などの連絡を弊社が一貫して担うことで、煩雑な連絡が解消されます。
弊社マネジメントセンターの詳細はこちら


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図3 集荷から配送のイレギュラー対応の例
 

CO2排出量の報告

CO2排出量は、弊社マネジメントセンターにて算出し、毎月大阪シーリング印刷様に報告しています。算出方法は改良トンキロ法で、1配送ごとに算出されています。(集荷・幹線・配達それぞれのCO2排出量を算出しています。)
改良トンキロ法の詳細はこちら ※経済産業省 資源エネルギー庁より


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図4 大阪シーリング印刷様の配送イメージ

下図は、弊社より大阪シーリング印刷様に毎月提供している資料のイメージです。


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図5 CO2排出量の算出

配送計画サービス 導入後の効果

 

積載率の向上

貸切便で輸送していた時の積載率は約50%でしたが、共同輸送とすることで集荷・幹線・配達の積載率はそれぞれ約70%まで向上しました。大阪シーリング印刷様の輸送コストには大きく影響しなかったものの、他社と組み合わせることで輸送全体の効率化に繋がっています。

 

CO2排出量の削減

貸切便で輸送されていた時は輸送1件当たりの排出量が337g-CO2/㌧kmでしたが、共同輸送とすることで輸送1件当たり275g-CO2/㌧km(2023年度平均)と約20%削減されています。 輸送に関わるCO2排出量は日本全体の総CO2排出量の約18%を占めていると言われており、近年運輸業界では様々な取り組みが行われています。今回の削減量は小さな数字かもしれませんが、このような事業者の1つ1つの取り組みが大きな削減につながっているのです。

お客様の声

内閣府が推進する「SIPスマート物流サービス」について調べる中で、セイノー情報サービス様の「地域物流」の取組みを知りました。
「積載率向上」「CO2排出量削減」などの社会課題解消に荷主企業として貢献できる貴重な機会と考えています。
当社物流部門として、環境への配慮、輸配送効率向上に加え、お客様に安心を感じていただける「サスティナブルな物流」を目指した活動をこれからも進めて参ります。行政と協働連携されるセイノー情報サービス様には今後もビジネスパートナーとして、課題解決に向けた積極的なご提案を期待しております。

大阪シーリング印刷株式会社
岐阜経営管理課 課長
杉江 京子 氏


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