2025.2.12
  • 卸売業
  • アウトソーシング

物流アウトソーシングでEC事業の更なる拡大を狙う

導入ソリューション

企業名
株式会社グリーンクロス
カテゴリ
アウトソーシング
業種
卸売業
資本金       6億9,726万円
事業内容      安全機材・保安用品の販売及びレンタル、土木・建設資材の販売及びレンタル、
            防火・防災及び安全に関する設備機器・事務用品機器・測量機器のレンタル、
           グラフィックサインの企画、製作及び販売、広告代理業

お客様の概要

株式会社グリーンクロス様は、「総合安全商社」として土木・建築現場における安全機材の販売・レンタルや看板・サインメディアの製作および販売を行っています。1969年に福岡県福岡市で交通標識製作所として創業され、現在では業界をけん引するリーディングカンパニーとして「安全・安心・快適な社会づくり」に貢献されています。本社を構える福岡県福岡市をはじめ日本全国に営業拠点を持ち、地域密着型のサービスを展開しています。そして自社一貫体制を生かして、積極的に現場の声を製品開発に取り入れ、多種多様なラインナップで顧客のニーズに応えています。
同社の主力事業である安全機材のレンタルサービスは1990年頃に本格的にスタートし、西日本を中心に多くの拠点を展開してきました。2017年には経済産業省の「地域未来牽引企業」に選定され、今後は第2の柱であるサインメディア事業や看板クリニック事業の全国展開を進めています。近年は、老朽化した看板の落下事故や台風による看板の破損被害などが社会問題となり、ニーズが高まっています。そこで、専任の屋外広告士有資格者が看板の検査・診断を行なう看板クリニックサービスも展開しています。


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近年、同社が新たにEC事業に注力しています。これは自社サイトである「グリーンクロスセレクト」をはじめとしたECサイトにて、安全対策用品、安全標識、工事看板、建設現場用品、土木現場用品、防災・防犯用品、熱中症対策用品など40,000点を超えるアイテムの販売をしています。
年々EC販売の需要は増加しており、売上も右肩上がりに拡大しています。しかし、EC事業は専用の物流センターを設けていなかったため、保管スペースも物流作業を行うスタッフも足りませんでした。アイテム数の増加や販路拡大に向けて更に発展していくためには、広い倉庫と物流作業を行うスタッフが必要でした。しかし、そのために新たなスタッフを増員するよりも、物流機能を外部へ委託する方が対応もスピーディーで発展性も高いと考え、物流アウトソーシングを検討されました。

  • 課題
    • ・在庫管理精度を向上して、在庫差異が発生していた
    • ・営業所の社員が物流作業を行っていたため、本来の業務に専念できない
    • ・受注から出庫までの作業に3日かかる
    • ・顧客までの配達に2日以上かかる
  • 成果
    • ・新物流センターでは、在庫差異ゼロを実現
    • ・社員が物流業務から解放され、本来のビジネスに専念
    • ・出荷量に応じて柔軟に人員配置ができる環境になった
    • ・出荷先の8割を占める関東エリアに物流拠点を新設することで、配送リードタイムを短縮
    • ・当日受注、当日出荷が可能となり、お客様満足度が向上

EC物流で抱えていた課題

 

保管スペースが足りず、棚から在庫があふれる

EC事業はレンタル事業を行う神戸の物流センターの一角で運用されていたため、保管スペースが小さく、取り扱いアイテム数や出荷量の増加により棚から商品があふれていました。また倉庫の在庫管理では、商品をバーコードスキャンではなく目視検品をしていたため、出荷ミスにより在庫差異も発生していました。



出荷作業に追われて残業の日々

物流専任のスタッフが足りず、午前中は管理職も営業も皆総出で出荷作業を行っていました。そのため、社員は新商品の開発や営業活動など本来やるべき業務に時間が取れない状態でした。また、物流専任スタッフの残業も発生していたため、このままでは売上を拡大していくのが難しい状態でした。



お客様の元へ配達されるまでに5日かかる

全ての出荷作業は神戸の物流センターから全国の拠点や顧客へ発送していました。しかし、受注してから出荷までに3日かかり、さらには出荷先の8割を占める関東エリアのお客様では配送リードタイムに2日かかるため、お客様の元に配達されるまでに5日間要していました。近年のEC販売は翌日配達など配送リードタイムが重要視されており、競争力を高めるためにもこれを短くする必要がありました。

物流アウトソーシングの活用で課題を解決

物流アウトソーシングを活用することで、物流拠点を顧客が集中する関東エリアに移転し、物流品質の向上と従業員の負荷軽減を図りました。グリーンクロス様では物流アウトソーシングは初めての試みであったため、費用対効果やこれによる今後の事業成長について、弊社と共に何度も検討を重ねました。
複数社から提案を受けた中で、セイノー情報サービスを採択いただいた1番の理由は、将来的にレンタル事業のアウトソーシングも行えることでした。レンタル品はただ売るだけでなく、使用後の商品回収、良品・不良品チェック、可動確認、在庫計上、そして新たなお客様への配送という循環型の物流が必要となります。この展開が可能であることで物流の将来性を見出していただけました。

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サービス全体図

物流アウトソーシングの効果

 

立地条件が良く、拡張性の高い物流拠点

弊社が新拠点として提案した千葉県野田市の物流センターは国道16号線に面しており都心からもアクセスしやすく、運送事業者の営業所も近いため配送拠点としても適しています。敷地内にはトラック待機場があり、大量の入荷受付にも対応できます。また、近隣には他にもアズマロジスティクスの物流センターが複数あるため、オーバーフロー時には即座に対応が可能であるなど、とても拡張性が高い環境です。 また、グリーンクロス様の扱われる商品は工事など野外作業の暑さ対策関連商品が主力であるため、夏は特に出荷量が増加します。そのため、出荷量の変動により倉庫内の要員を調整することで、ムダなコストを削減することができました。

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WMS(倉庫管理システム)SLIMSの活用で在庫差異ゼロ、リードタイムも短縮

この物流センターの運用には、弊社のWMS(倉庫管理システム)SLIMSが活用されています。入荷から出荷までの全工程がSLIMSで一元管理されることで、高い精度の在庫管理が可能となり、常に在庫差異がゼロの状態をキープしています。グリーンクロス様がリアルタイムな在庫照会や引当をすることができますが、SLIMSの在庫管理には「絶対に間違いがない」という安心して運用することができます。 また、ロケーション管理もしっかりとされているため、どの工程も歩くムダ、探すムダのない運用となっています。これにより、当日受注・当日出荷が実現し、出荷依頼から発送までのリードタイムを大きく短縮することでお客様満足度も向上しています。

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社員が新たなビジネス拡大に時間を使えるように

神戸の物流センターでは物流作業を行うスタッフの残業時間が10%減少し、負荷が減少しています。社員も物流作業を行う必要がなくなり、本来やりたかった取り扱いアイテムの増加や販路の拡大など、ビジネス拡大に繋がる業務に集中できるようになりました。

 

物流KPI分析による継続的な改善活動

弊社マネジメントセンターでは、倉庫内の作業進捗管理や問合せ対応などの「運用管理」から、物流コストや在庫などを適正に保つ「運営管理」までトータルで支援しています。
その中でも、半期に1度開催される定例会では物流KPI分析による改善提案を行っています。グリーンクロス様は以前から物流KPIを設定していましたがそれに対応する業務はなく、多くは経験と勘に頼る運用となっていました。そこで弊社では、在庫日数や作業ミス率、荷痛み発生率、欠品率、商品別出荷特性の分析など複数のKPIを設定して、それぞれについて現状の報告および対策を行い、グリーンクロス様と相談しながら継続的な改善に繋げています。
特に、在庫管理 SLASHを用いた需要特性分析(RFM分析)では、出荷動向(出荷量と繰返性)から商品を4つの特性に分類し、各特性に応じた在庫管理ができます。この分析結果をアウトソーシングしている以外の部分にも、商品配置やロケーション変更などの検討の参考にしてもらっています。

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需要特性分析(RFM分析)

お客様の声

EC事業では、取り扱いアイテムを増加させていくとともに、自社のECサイトの充実に力を入れていきます。そして、今後は全国からの注文が自社のECサイトに集中するようにしていきたいと考えています。
また、EC事業での物流改善には大変満足しており、この成功体験を全社に展開して行きたいと考えています。特に、コア事業である安全機材のレンタルは物流を自社で担っており、ここの改善を検討しています。EC事業とは違い、レンタル事業では商品へのバーコードの付け方やデータ管理などハードルがいくつかありますが、SLIMSによる倉庫管理にはとても感銘を受けているため、今後の提案に大いに期待しています。

インターネット事業部 部長 宮本 知史 氏
インターネット事業部 課長 田村 詳二 氏
インターネット事業部 課長 市來 裕之 氏



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