導入ソリューション
- 倉庫管理
- 統合物流管理
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- 企業名
- 三菱商事ロジスティクス株式会社
- カテゴリ
- 倉庫管理(WMS)
- 業種
- 運輸・倉庫業 資本金 10億6,700万円 事業内容 国際複合一貫輸送業、海上輸送業、倉庫業、流通加工業、 アセットファイナンス・サービスなど
お客様の概要
三菱商事ロジスティクス株式会社様は、商社系物流企業の特長であるグローバルネットワーク、情報力、信用力を最大限に生かし日本、中国、アジア、欧米諸国にグローバル展開する物流企業です。1954年に設立し約70年にわたり特にアパレル、食品、自動車などの分野でその業界を代表するお客様との取引から得た多様な機能に独自のノウハウを付加し、物流の枠にとらわれないソリューション提案型ビジネスを展開しています。 2022年には新組織であるカンパニー制を導入し、①DXソリューション・コンサルティングカンパニー、②SCMソリューションカンパニー、③国際フォワーディングカンパニー、④自動車カンパニーの4つの領域について各機能の更なる強化と意思決定の迅速化を図っています。

物流システムへの一貫した考え方
70年の歴史の中で物流を取り巻く環境も大きく変わり、近年では物流ロボットなど先進的な取り組みも目立つ中、三菱商事ロジスティクス様が変わらず大切にしてきていることがあります。それは「安心・安全な物流サービス」を提供し続けることです。後に触れるセイノー情報サービス(以下、SIS)が提供するWMSを、実に15年以上にわたって利用されていますが、その理由は「システム障害を発生させず、顧客に安定した物流サービスを提供し続けていること」が一番のポイントと言われています。 ※取引開始から約15年間で1時間以上の業務停止に陥ったシステム障害は1回のみ。

耐障害性の高い物流システムを基盤に据え、安心・安全な物流サービスを提供すること

倉庫ロボットやRFIDを活用して現場の生産性を向上し、荷主様の企業価値向上に貢献すること

システムに人(作業)を合わせて業務を標準化し、人的リソースのサスティナビリティ化を図ること 業種業態の汎用性が高い「SLIMS」にWMSを一本化し、システム投資の最小化を図ること
物流システムの統合に向けた取り組み
かつては新しい荷主様との取引が決定すると、その商品や業務に適したWMSを探すことから始まり、時には荷主様側が準備するシステムを継承して運用していました。そのため新規のシステム投資が発生したり、作業者も新たなシステムに慣れるまでに時間がかかっていました。また、システムが乱立することになるので維持管理コストも増加し、例えば障害が発生した場合にはリカバリーに多大な労力を要していました。そのような課題を解決するために2007年頃からWMSの一本化に向けた活動が開始されました。 まずは食品・雑貨のWMS統合からスタートし、続いて着手したのが当時の主流品目であるアパレルでした。アパレルに関しては元々業界特有の細かい管理(SKU)が必要となり、加えてそれぞれの荷主様ごとに商品特性が大きく異なるため別々のWMSを使用していました。それを打破するため、ある大手のアパレル企業をきっかけに弊社のSLIMSを導入し、以降は全てのアパレル企業の運用をSLIMSに統一すべく取り組んできました。当時乱立していたWMSは、現在では一部のEC関連顧客を除き、アパレル、食品、雑貨など全てがSLIMSで運用されています。
大手のアパレル・食品事業に絶対的な強み
なぜ三菱商事ロジスティクス様はアパレルと食品領域に強みを発揮しているのでしょうか。
冒頭にも触れましたが、同社はグローバル規模でのサービス提供が可能です。また商社系企業として培った調達力や情報力を持ち合わせているため、例えばアパレル企業向けには原料の調達から国外での製造、そして船積、輸送までのトータルなコーディネートが可能です。その最後の仕上げとして国内における保管と出荷業務を請け負うことで、製造から販売までをワンストップの物流サービスでご提供することができます。
同社はタイ、インドネシア、インド、中国、台湾、米国など海外の物流拠点を有していますが、実際に中国の倉庫ではSLIMSが利用されており、そこで日本国内における販売店舗の仕分けまで対応しています。高コストな国内での作業の手間をできる限り無くし、海外を含めたトータルサービスを提供することで他の物流企業とは一線を画し、特に大規模に事業展開するアパレルに対して絶対的な自信を持っています。食品に関しても賞味消費期限、製造日、ロット管理、得意先で異なる倉庫出荷期限管理など、こちらも業界特有の細やかなケアが必要不可欠となります。長年培った運用経験とSLIMSが装備する期限管理機能を駆使して、安定的で高品質な物流サービスを提供しています。
業種業態の汎用性が高いWMS「SLIMS」
大手のアパレル・食品企業を相手にビジネス展開している三菱商事ロジスティクス様ですが、そこで活用するWMSは一部のEC顧客以外は全てSLIMSで運用をまかなっています。 SLIMSの利用は2012年からであり、当初は業務改善やサービス向上を目的とした様々な機能追加・改修を施してきましたが、現在では企業間インターフェースや専用帳票発行といった、所謂「個別要望」による機能改修のみで新規業務を立ち上げることが可能となりました。 同社が利用するSLIMSは、ピッキングリストなど紙を使ったオーソドックスな作業方法は勿論、商品特性や作業ボリュームに応じてRFIDなどを活用した現場運用にも対応しています。SLIMSはRFID検品などの外付けのシステムとインターフェースを備えており、入出荷指示など予定と実績をやり取りできるよう高い汎用性も兼ね備えています。 SLIMSと顧客側システムを繋ぐ「LMS」は、複数拠点から出荷する場合のデータおよびマスタ情報の集約に関するインターフェース機能と、保管料・火災保険料の算出などで活用されています。
更なる飛躍に向けたデジタル技術の活用
「安心・安全なシステム」はどちらかというと守りの取り組みと捉えられますが、三菱商事ロジスティクス様は近年注目を浴びているAIやロボットなどのデジタル技術の活用にも貪欲に取り組まれています。 AIに関しては、WMSで蓄積している出荷データを元に未来の需要予測を実現すべく現在取り組んでいます。その予測情報を3PL事業者である三菱商事ロジスティクス様から荷主企業へ情報公開することで、生産計画と連動した在庫の適正化に貢献することを目標としています。ここ数年は新型コロナウィルスの影響を受け、需要が大きく変動しているため試行錯誤の日々ですが、あきらめずチャレンジを続けており、この姿勢については荷主様からも高い評価を受けています。 また、近年益々注目を浴びている物流ロボットについても既に一部の倉庫で導入が進んでいます。同社の京浜事業所では棚流動型ロボット「Ranger GTP」が稼働し、人的リソースのサスティナビリティ化に一役かっています。他にもオムニソーター(自動仕分け)を導入するなど、業務の効率化に向けて最適なデジタル技術を組み合わせた物流サービスを提供されています。

今後の物流システム強化ポイント
70年にわたり成長し続けてきた三菱商事ロジスティクス様は、豊かな社会と経済の発展に向けて更に貢献していくため、次の領域に力を注いでいかれます。 まずは物流コンサルティングです。お客様の経営課題に対し物流とデジタルを掛け合わせ、これまで以上にお客様に寄り添って最適なソリューションを提案していかれます。 アパレル・食品に絶対的な強みを持つ同社ですが、これからは業種業態を限定せずさまざまなお客様への対応を進めていきます。医療系のお客様に向けたノウハウの蓄積や、同じ食品でも冷凍・冷蔵領域へも積極的なサービス展開を目指しています。 情報システムについては、物流現場の省人化・省力化に向けて物流ロボットの活用を更に進めていきます。加えて事務処理業務の効率化を強化ポイントに挙げられています。WMSはSLIMSで一本化でき共通化が実現できましたが、業務と業務の繋ぎである前後工程についてはどうしても紙やエクセルを使用したり、人手に頼らざるを得ない場合もあります。全てをWMSで対応するとコストや時間を要するため、ローコード、ノーコードシステムを活用しスピーディな対応ができる社内体制を構築されていきます。
お客様の声
2007年よりセイノー情報サービス様とのお取引を開始させていただき、これまで多くのお客様に最適な物流サービスを提供してまいりました。 今後もセイノー情報サービス様が提供するシステムとわが社物流ノウハウの融合により、今後も多くのお客様の経営課題を解決していきたいと考えています。
システム統括部 部長平山 明 氏
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