2022.6.8
  • 製造業
  • 生産管理
  • 倉庫管理(WMS)

生産管理システムの導入で業務の標準化と効率化を実現

導入ソリューション

  • 生産管理
  • 統合物流管理
  • 倉庫管理
企業名
株式会社リブドゥコーポレーション
カテゴリ
生産管理、倉庫管理(WMS)
企業規模
1,123名(2021年3月)
業種
製造業
取扱商品
大人用紙おむつ、介護用品・用具、メディカルディスポーザブル用品

お客様の概要

株式会社リブドゥコーポレーション様は、「介護(Care)」と「治療(Cure)」の両域において、一人ひとりの「生きるチカラを応援する」企業として事業を展開しています。 社名のリブドゥ(Live+Do)には「より積極的に生きる」という意味が込められています。 祖業である介護領域のライフケア事業では、食事・はいせつ・入浴の三大介助の一つであるはいせつ介護のメイン商材である大人用紙おむつを製造販売しており、施設・病院向けの業務分野においては、幅広いバリエーションで介護のプロたちから選ばれています。 業界随一の商品点数と豊富なサイズを取り揃え、全国の物流センターからお客様へ供給しています。

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ライフケア事業においては、全国4ヶ所の工場で行っている資材調達業務のシステム化がかねてからの課題でした。
担当者が毎回エクセルを使用して資材所要量を計算しており、また同社は品目単位のサイズが豊富なために、商品ラインナップが増えるにつれて業務負担が大きくなっていました。手作業が多いことで生産計画システムと連動した資材の調達が困難となり、調達ミスによる生産ライン停止のリスクも指摘されていました。
また、資材所要量計算のもととなる製品の仕様情報管理についても、部分的なシステム化にとどまっておりエクセルで作成した管理表を使用していました。そのため部門間、工場間での情報共有がしづらく、仕様変更のたびに複数の部門で情報の修正が発生していました。加えて情報登録のために必要な仕様書などの帳票も作成に手間がかかり、タイムリーな登録変更ができませんでした。
このような背景の中、業務時間を大幅に短縮し、且つ生産ライン停止のリスクを回避するためには情報システムの整備が必要不可欠であるという結論に達し、生産管理業務に関わるシステム化の検討がスタートしました。

  • 課題
    • ・資材調達にかかる業務負担が大きく時間を要している
    • ・現場では個別エクセルが多用され業務が属人化している
    • ・製品の仕様情報が部分的にしかシステム化されていない(紙、エクセル)
    • ・システム間の連携が不十分なため二重登録や入力ミスが発生している
  • 成果
    • ・個別エクセルを必要最小限に削減し属人化を抑制
    • ・担当者や工場ごとに異なっていた業務を標準化・均一化
    • ・鮮度の高い情報を部門・工場間でリアルタイム共有
    • ・資材調達業務においては大幅な改善を実現
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取り組みテーマ

人に依存した管理からの脱却はもとより、近い将来、少子高齢化による新卒者の採用も困難になることが予想され、情報システムを活用した省人化・省力化は避けて通れない選択肢です。
個人の力量による作業は限界が来ており、システム化と同時に資材調達業務自体を根本的に見直すことになりました。

  1. 1. 手作業を減らし「ばらつき」をなくす
    • ・仕事の進め方や様々な帳票を統一し標準化する
    • ・帳票作成や入力などの単純作業はできるだけシステムを多用する
  2. 2. 情報の一元化
    • ・資材調達と製品の仕様情報管理のシステムを強化する
    • ・その上で、生産計画から生産実績までの情報を一気通貫で管理する
  3. 3. エクセルを最小限にする
    • ・個別エクセルを必要最小限に減らす(「ゼロか100か」ではなく、必要なものは残す)
    • ・ただし、定着性を考慮してエクセルに近い視認性で、操作性の高いシステムデザインを採用する
  4. 4. 現場完結型の業務への変革
    • ・入荷や生産の実績情報を現場でシステムへ登録できるようにし、現場で業務を完結させる(事務所での入力廃止)
    • ・実績を記入するための帳票(紙)も無くす
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以上のテーマで複数のシステムベンダーに提案を依頼し、既に倉庫管理や工場間の在庫移送管理で実績のあったセイノー情報サービスの「SPENCER」の採用を決定しました。 導入済みのロジスティクス系の情報と、調達・生産系の情報とが連携できる強み(サプライチェーンプラットフォーム)を評価しました。

SPENCERを活用した生産管理業務へ

業務の標準化

これまでは担当者・部門・工場ごとにエクセル表が無数に存在し、項目や計算式の入れ方など作り方も異なりました。
システム導入後、エクセルは最小限となり、加えて安全在庫数などの判断基準を設定することで業務が標準化されました。
業務の引継ぎもスムーズになり、個人に仕事が紐付く状態から脱却し、業務の幅を広げられるなどの効果も出ています。

調達・発注業務の自動化

毎回エクセルで計算していた資材所要量計算が自動化されました。
連携している生産計画システムから計画情報をインプットすることで必要な資材量が自動計算されます。その数字を基にSPENCER上で発注量を決定し発注書を自動作成します。調達計画~発注業務がシームレスに連携しました。

入荷・生産実績を現場でリアルタイムに登録

これまでは帳票(紙)に手書きで実績を記入し、事務所で実績管理用のエクセルと基幹システムへ入力していました。
システム導入後は入荷検品もしくは製造と同時に生産管理システムへ実績登録します。手書き情報をパソコンに入力する手間や帳票(紙)の管理が無くなるとともに、「現場完結型」へと変革しました。

情報の一元化

生産計画から生産実績管理までを1つの情報プラットフォーム上で一元管理しました。
4ヶ所の工場、資材調達、営業、物流など複数部門にまたがる情報が連携され、二重入力や転記作業が不要となりました。仕様変更時のタイムリーな登録変更には、未だ課題が残っていますが、土台は完成しました。

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エクセル神話からの脱却

エクセルからの脱却でポイントとなるのが、新システムに切り替えるための「意識改革」です。特に現場担当者にとってエクセルは神話と言えるほどの「便利なツール」だったため、システムの切り替えには一定の時間を要しました。
加えてコロナ禍の影響を受け、芳賀工場(栃木県)は物理的な距離があるため現地での説明・教育が十分できないことから、システムを使いこなすまでに約1年を要しました。システム化の推進者には粘り強さが要求されましたが、現在ではライフケア事業4工場全てに新システムを活用した業務が定着しています。

導入の効果

特に調達・生産という企業の根幹をつかさどるシステムの入替には、多くの時間と労力を必要とします。今回のシステム化プロジェクトでは、失敗を恐れない心の強さと粘り強さにより、下記の通り想定以上の効果が生まれました。

※効果はシステム化業務を対象に、導入1年後にリブドゥコーポレーション様が試算


  1. 01作業時間の短縮

    システム化による一番大きな効果は、「作業時間の短縮」です。
    エクセル管理を最小限にした結果、個別エクセルの作成や入力が無くなり作業効率が大幅に向上しました。
    また、トータルの残業時間も目標値以内に抑制されました。


    主な例: 資材所要量計算の自動化
    発注書の自動作成
    製造指図書/実績報告書を使った入力作業を廃止
    使用資材日報の紙による管理を廃止
    使用資材の現場手書きメモを廃止
    製品仕様情報の一括変更
    受入データの入力廃止
  2. 02作業精度の向上

    エクセル管理を止めてシステム上で情報管理することで、転記や再入力の作業が削減されました。
    システム相互間のデータ連携が自動化されたため、入力ミスが撲滅され高精度な情報管理を実現しました。

  3. 03作業の標準化と均一化

    工場や担当者ごとで異なっていた業務プロセスをシステム化と合わせて標準化しました。
    仮にメイン担当者が休暇を取得しても、他の社員でも代理ができるよう仕事の仕方が整備されました。
    今後、ベテラン社員から若手社員に業務が引き継がれる際もスムーズな移行が想定されます。

  4. 04リアルタイム性の向上

    現場で入荷実績・使用実績を登録することで、情報のリアルタイム性が向上しました。
    4ヶ所の工場、資材調達、営業、物流など複数部門に鮮度の高い情報が共有できました。

  5. 05資材在庫の削減

    当初想定していなかった効果としては、資材在庫が全体的に削減されました。(月末棚卸調べ)
    資材調達業務のシステム化にあたり、発注時の指標となる安全在庫を採用したことによる効果と考えています。

今後の展望

今回SPENCERの導入により、資材調達~生産実績領域がシステム化され、これまでにセイノー情報サービスが手掛けたロジスティクス領域とも連動し、より強固な社内サプライチェーンマネジメントを実現しました。
次は“完全な”トレーサビリティの実現を視野に入れています。
現在局所的には対応していますが、今後は資材の入庫ロット管理に始まり工場内の在庫移動、加工機への投入、そして生産実績ロットと出荷ロットまで、すべての在庫の動きをロットレベルで管理することを目標に置いています。
これからも人々が安心して商品を手に取り使用できるよう、生産と供給体制の更なる向上を模索し続けています。

お客様の声

導入当初は軌道に乗るまでに時間を要しましたが、これまでのエクセル管理や手作業が大幅に改善され、業務になくてはならないものになっております。業務の一元管理が可能になり、業務負担軽減や作業時間短縮に繋がっております。

徳島三野工場 業務課
高原裕司 氏


今回のスペンサー導入により、業務の棚卸を行い不要な作業を洗い出したことで、入力作業の簡略化やミスの低減に効果を発揮出来たかと思います。今後も継続して良いシステムへと進化していく手助けをお願いしたいと思います。

徳島貞光工場 業務課
課長 山内秀司 氏


今までのやり慣れた仕事を変えていくのは勇気のいることでしたが、新システムを日々使っていく中で徐々に理解が深まり、効率アップに繋がりました。 開発から導入後までを含めてその時々で苦労がありましたが、社内外の関係者皆様のお陰で、変革をしていくことができました。

生産管理部 購買課
課長 片上光 氏

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