2019.9.26

WMS導入の目的と業務改善

コンサルタントが解説! WMSの選び方

 

WMS導入の目的

WMSとは?

WMSは、倉庫管理システム(Warehouse Management System)と訳され、倉庫作業をマネジメントするシステムです。よくWMSは単に在庫を管理するシステムでなく、倉庫作業の支援システムと紹介され、ミスの削減や作業の効率化を求められます。これらはもちろん大切ですが、重要なのは倉庫作業を「マネジメント」するツールであることです。


WMS(倉庫管理システム)の詳細はこちら


倉庫作業をマネジメントするとは、どういう事?

倉庫の作業を大きく分けると、商品の入荷、入荷した商品の保管、出荷の指図に基づいた出庫・出荷からなります。また、その過程において、商品の品質検査や、値札付け、セット組などの流通加工、包装・梱包など、様々な作業が存在します。これらの作業をミスなく、ムダなく、ムラなく行うために、作業を計画し、作業生産性を意識しながら進捗を確認して、遅れていれば計画を変更します。これをWMSから必要な管理情報を得ることで、適切な指揮・管理を可能にします。これがWMSの持つ最大の機能なのです。

倉庫のイラスト
このように倉庫業務をマネジメントすることで、物流サービスレベルを維持したうえでの物流コスト削減や、作業精度と作業生産性という相反する項目を同時に向上させることができます。
これが、WMS導入の真の目的です。

 

業務改善の必要性

WMS導入を検討するきっかけとは?

  • ・手作業のシステム化
  • ・現行システム老朽化に伴う刷新
  • ・基幹システムからの分離独立
  • ・作業効率化によるコスト削減やミス撲滅

きっかけは様々ですが、単に現行システムのリプレースや、システム化できていない業務を対象にするだけでは、あまり意味がありません。現行業務のプロセスを見直し、簡素化や標準化による改善が必要です。

業務改善はどのように進める?

業務にシステムを合わせるのか、業務をシステムに合わせるのかという議論を良く聞きますが、システム化の目的は業務改善を適正なコストで実現することにつきます。今やっている業務がなぜ必要なのかを追求すると、「昔からやっていることだから」といった、過去の慣例を継承しているだけの「不要な業務」が多く存在します。システム化をきっかけに、それらの業務を見直し、場合によっては取引先と業務調整を行い、制約事項を減らすことが重要です。

3PL企業であれば、取扱荷主の数だけ業務が存在し、メーカーの物流部門であれば、製造部門・事業部門ごとに業務が存在し、販売チャネルが異なれば、その数だけ業務が存在する物流センターを多く見かけます。もちろん、製品の荷姿が異なれば、作業方法や利用するマテハンも異なります。取引先の納品条件によって作業内容も変わり、在庫責任部門の在庫管理方法も異なります。

フォークリフトのイラスト
だからと言って、荷主や、取引先ごとにシステムを個別に準備していては、システム費用が高額になるだけでなく、繁忙期の作業者の共有化やシステム機器の相互利用など、将来的に多くの制約条件が付いて回ることになります。

そうならないためにもまずは、自社のすべての業務をあぶりだし、標準の業務プロセスモデルを作成しましょう。標準業務は必ずしもひとつである必要はありません。荷姿や取引先の特性を業務制約と定義し、それらを標準としてモデルを作成します。こうして完成した業務モデルを自社の標準業務と定義します。そして、このモデルを基に現行業務を検証し、何が課題となるかを洗い出し、その解決策を検討します。こうすることで、多数ある複雑な業務もひとつの標準業務プロセスとして扱うことができるのです。

このように現行の業務を見直し、あるべき姿を基にシステム化をすれば、WMSはより大きな効果が得られるのです。

次回は、WMSに必要な機能についてお話しします。


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