2021.10.4

新WMS稼働日を安心して迎えるためのチェックポイント

失敗しない!WMSの導入方法

 

新WMS稼働日を安心して迎えるためのチェックポイント

WMS(倉庫管理システム)の導入・リプレースプロジェクトにおいて、導入前に行う準備作業は非常に重要です。
導入準備を入念に行っておくことで、立ち上がり時のトラブルを低減します。
しかしどれだけ入念に準備を行っても、「トラブル無く稼働するか」「十分検討したつもりだが、本当に問題ない仕様になっているか」など、新WMSが運用に耐え得るか不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで当コラムでは、安心して本番を迎えるためにすべきことを解説します。
受け入れテストで仕様に抜け漏れが無いかを確認する方法や、新WMSを稼働させる準備は整ったかを確認するチェックリストなど、具体的な情報をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。


導入準備の目的や全体の流れ、導入計画の立案については、別コラム「WMSの導入は事前準備が成功のポイント」で紹介しています。


WMS(倉庫管理システム)の詳細はこちら



 

目次

  1. 1. 導入準備(実行編)

  2. 2. まとめ

 

コラムのポイント

  • ・新WMSのテスト~稼働日当日までの流れと行うべきことを解説
  • ・システムの仕様に抜け漏れを確認する方法など、安心して稼働日を迎えるためのポイントを紹介
  • ・チェックリストなどのサンプルを掲載


 

導入準備(実行編)

 

受け入れテスト

新WMSが仕様(設計書)通りか、運用に耐え得るかをユーザー企業がチェックします。
この工程では、起こりうるあらゆるパターンを洗い出してテストシナリオを作成し、実際にデータ入力したり帳票を印刷してテストします。帳票やロケーションに表示のバーコードも、可能な限り全種類のスキャンをしておきます。

WMS導入前テストのシナリオパターン
シナリオパターン(例)

この工程は、導入計画の立案と同じくらい重要です。
運用リハーサルに充分な時間が取れそうにない場合は、特に入念に行いましょう。



 

マニュアル作成

以下2種類のマニュアルを作成します。

  • ・システムの操作マニュアル
  •   ベンダーが作成し、リーダー教育で使用

  • ・業務マニュアル
  •   ユーザー企業で作成
      要件定義で合意した業務フローやシステム操作マニュアルをベースにすると作りやすい


 

リーダー教育

入荷・出荷など業務ごとのチームリーダーや、事務所のリーダーを対象として操作説明会を行います。
講師は主にWMSベンダーが担当し、運用が関わる質問には物流部門が回答することでスムーズに進行します。
また、担当する商品や顧客ごとに運用が異なる場合は、説明会で個別運用をどこまで・どのように説明するのかをあらかじめ検討しておきましょう。作業員への教育は別途期間を設け、各リーダーが講師役となり実施します。



 

運用リハーサル

現場で実データを使用し実際に動かせてみて、漏れなく導入準備が完了しているかチェックします。
主な目的は、4つです。


  •  ・現場教育(トラブルがあっても現場で判断し対応できる状態になるとベスト)
  •  ・実際の運用に即した環境(データ、場所、機器台数など)でのレスポンスを確認する
  •  ・導入計画、マニュアルの問題点を洗い出す
  •  ・運用上の問題点を洗い出し、その対策も取り決めておく

また、運用リハーサルは、次の工程「切替判断」を行うために必要な情報を取得する場でもあります。
事前にチェックシートを作成し、確認漏れがないようにしましょう。

WMS運用リハーサルのチェックシート
チェックシート(イメージ)


 

切替判断

運用リハーサルの結果をもって、新WMSへ切り替えてよいかを判断します。
いつ、何がどうなれば切り替えて良いのか、誰が判断するのか、など事前に判断基準を明確にしておくことが重要です。その基準を確認するためにチェックシートを作成しておき、運用リハーサルで確認します。

また切り替えは、物流業務だけでなく連携する基幹システム、ひいては売上にも影響が及ぶ重要な判断です。関連部門を含めた会議の場を設けるなどして、誰が・どの情報をもとに・どのような判断を行ったか、残課題の有無と対策について関係者間で共有しましょう。

 

本番稼働

切り替えが合意できたら、いよいよ新WMSを稼働させます。
リスクの少ないタイミング(日程、時間)を選択する以外にも、以下のような対策が考えられます。


  •  ・出荷作業を前倒しするなど、稼働開始日の処理件数を減らす
  •  ・トラブル発生時の連絡網、判断者を決めておく
  •  ・稼働開始日や1か月後に反省会を行い、現状・課題・対策について整理する
 

まとめ

導入の1~2カ月前から行う準備作業は、新WMS立ち上げ時のトラブルを低減するために重要です。
当コラムでは、計画編・実行編の2話にまたがり、準備の重要性とすべきポイントを解説してきました。
しかし、導入前に期待した効果が得られる一番のポイントは「ユーザー自身の主体性」にあると思います。

システムはベンダーが詳しいのですが、現場運用に一番詳しいのはユーザー企業です。
そこには長年培ってきた経験や、現場作業者しか知りえない多くの知恵が詰まっています。
WMSの導入にも是非そのノウハウを活かして欲しいと思います。

ユーザー自身が当事者意識を強く持ち、主体的にテストパターンを作成したり、入念なリハーサルを
行うことで、WMSプロジェクトが成功し、当初期待した効果を享受することができるのです。

今回ご紹介した内容は、様々な業種・業態の企業で参考にしていただけるものです。
ベースとして参考にしていただきつつ、自社の特性を加えてご活用ください。

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