2026.8.4

物流ロボットの種類と特長を詳しく紹介

最新技術

物流現場では、人手不足への対応や業務効率化を目的に物流ロボットの導入が進んでいます。物流ロボットには、AGVやAMR、GTPなどさまざまな種類があり、それぞれ対応できる工程や得意な作業が異なるため、「自社の現場にはどのタイプが適しているのか判断しにくい」と感じる方も多いのではないでしょうか。 物流ロボットは、搬送、仕分け、ピッキング、保管、棚卸といった工程ごとに適した種類を選定することが重要です。 本記事では、物流ロボットの主な種類とその特長を、体系的にわかりやすく解説します。

目次

  1. 1. 物流ロボットの主な種類

  2. 2. 搬送・仕分け系物流ロボットの種類と特長

  3. 3. ピッキング・ハンドリング系物流ロボットの種類と特長

  4. 4. 在庫管理・保管系物流ロボットの種類と特長

  5. 5. まとめ

物流ロボットの主な種類

物流ロボットは、大きく「搬送・仕分け系」「ピッキング・ハンドリング系」「在庫管理・保管系」などに分類できます。

搬送・仕分け系

搬送・仕分け系は、人の「運ぶ」「仕分ける」といった作業を支援・自動化するロボットです。倉庫内の荷物を人に代わって移動させたり、配送先や出荷先ごとに自動で仕分けたりすることを目的とします。主にAGV、AMR、GTP、自動仕分けロボット、AGFなどが該当します。GTPはピッキング工程を支援する仕組みでもありますが、ここでは商品や棚を作業者のもとへ搬送するロボットとして分類します。

ピッキング・ハンドリング系

ピッキング・ハンドリング系は、「つかむ」「持ち上げる」「積み替える」「積み上げる」といった作業を担うロボットです。ピッキングやパレタイズ、積み込み・荷下ろしなどの工程で活用され、人の手作業を自動化します。

在庫管理・保管系

在庫管理・保管系は、商品の保管、入出庫、棚卸、在庫確認などを支援・自動化するロボットやシステムです。在庫精度の向上、保管効率の改善、作業時間の短縮に貢献します。



ロボットの選定ポイントと活用例

搬送・仕分け系物流ロボットの種類と特長

AGV

AGV(Automated Guided Vehicle)は、無人搬送車のことです。床に設置された磁気テープやQRコードなどを目印に位置を把握し、あらかじめ設定されたルートに沿って走行します。そのため、入荷バースから保管エリアへの搬送や、台車・カーゴテナーの牽引など、定型的な搬送業務に適しています。 走行ルートを固定しやすい現場では比較的導入しやすく、安定した運用が可能です。一方で、レイアウト変更が多い現場では、ルートの再設定や床面側の変更に手間がかかる場合があります。

AMR

AMR(Autonomous Mobile Robot)は、センサーやカメラを用いて周囲の環境を認識し、自律的に走行する搬送ロボットです。固定ルートを必要とせず、人や障害物を避けながら目的地まで移動できるため、レイアウト変更が多い倉庫や、作業者と協働する現場に適しています。 小型・軽量物の搬送のほか、ピッキング済み商品の運搬、返品・戻し品の搬送、事務所から現場への書類搬送など、さまざまな用途で活用できます。 また、機種やアタッチメントによっては、台車搬送以外にも対応できます。たとえば、持ち上げ搬送、牽引搬送、重量物搬送などです。ただし、対応範囲はAMRの性能や現場環境によって異なります。重量物搬送や牽引用途で使う場合は、搬送物の重さ・大きさ・搬送頻度に合った機種を選ぶことが重要です。

GTP

GTP(Goods-to-Person)は、商品を作業者のもとへ運ぶ方式・システムです。代表的なものに、ロボットが商品棚を作業者のもとへ運ぶ棚搬送型システムがあります。 作業者が倉庫内を歩き回る必要が少なくなるため、移動時間を削減でき、ピッキング効率の向上につながります。ロボットが商品棚を運んだ後、作業者はレーザー表示や画面表示などの指示に従って商品をピッキングします。そのため、商品の保管場所を覚える負担が軽減され、経験の浅い作業者でも作業しやすくなります。 ただし、棚に収納できる商品が主な対象となるため、対象商品の選定が必要です。棚に入らない大型商品とGTP対象商品を同じ出荷単位で扱う場合は、荷合わせの方法や作業フローを含めて検討することが重要です。

自動仕分けロボット

自動仕分けロボットは、商品を配送先や出荷先ごとに自動で仕分けるロボットです。バーコードやRFIDなどの情報を読み取り、仕分け先を判別して分類します。 大量の商品を短時間で処理できるため、出荷作業の効率化や仕分け精度の向上に貢献します。作業者が商品を載せると届け先ごとの間口まで自動搬送するタイプや、ロボットアームで商品をつかんで仕分けるタイプなど、さまざまな方式があります。店舗別仕分けのように、同じ商品を複数の届け先に振り分ける現場で活用されています。 また、仕分けロボットの中には、従来型の大型ソーターに比べて省スペースで設置できるものや、短期間で導入できるものもあります。仕分け作業に特化しているため活用イメージを描きやすく、既存業務に組み込みやすい場合もあります。ただし、処理量、商品のサイズ・形状、仕分け先の数、設置スペースによって適した方式は異なるため、現場条件に合わせた選定が重要です。

AGF

AGF(Automated Guided Forklift)は、フォークリフト型の無人搬送ロボットです。パレット搬送のほか、荷物の積み下ろし、保管エリアへの搬送、入出庫作業などを自動化できます。フォークリフト作業の省人化に加え、人と車両の接触リスクを抑えやすくなるため、安全性の向上にもつながります。 AGFには、あらかじめ設定した経路を走行するタイプや、周囲の環境を認識しながら走行するタイプなどがあります。既存の有人フォークリフト作業と組み合わせ、一部の荷役・搬送工程から段階的に自動化できる点も特長です。

ピッキング・ハンドリング系物流ロボットの種類と特長

アーム型ピッキングロボット

アーム型ピッキングロボットは、ロボットアームによって、商品をつかむ、持ち上げる、所定の場所へ配置するといった動作を自動化するロボットです。 吸着ハンドやグリッパーなどを用いることで、多様な商品のピッキングに対応できます。人手に頼っていた繰り返し作業の自動化に適しています。

ピースピッキングロボット

ピースピッキングロボットは、商品を1点単位で取り出すロボットです。3Dカメラや画像認識技術により、商品の形状、位置、姿勢を認識し、最適な把持位置を判断してピッキングします。多品種の商品に対応するには高度な認識技術や把持技術が求められるため、対象商品や運用条件によっては導入難易度が高くなる場合があります。

ケースピッキングロボット

ケースピッキングロボットは、オリコンや段ボール箱など、ケース単位の商品を対象に、ピッキングや搬送、積み替え作業を自動化するロボットです。一定サイズのケースを大量に扱う現場に適しており、作業効率の向上や省人化に貢献します。 主に、棚や保管エリアからケースを取り出して搬送する作業や、届け先別の仕分け、パレットや台車への積み付けなどに活用されます。ロボット自体に走行機能を備えたタイプもあり、取り出したオリコンを梱包エリアや出荷エリアまで運搬できるものもあります。自動倉庫や搬送設備と組み合わせて使われることもありますが、棚の増設や移設に対応しやすいタイプもあり、レイアウト変更への柔軟性が高い点が特長です。

バンニング/デバンニングロボット

バンニング/デバンニングロボットは、コンテナやトラックへの荷物の積み込み、荷下ろしを自動化するロボットです。段ボールケースなどの荷物をコンテナ内に積み付けたり、コンテナから取り出したりする作業に活用されます。重量物の取り扱いや、暑さ・寒さの影響を受けやすいコンテナ内作業の負担を軽減し、省人化や労働環境の改善につながります。

在庫管理・保管系物流ロボットの種類と特長

棚卸ロボット

棚卸ロボットは、在庫確認や棚卸作業を自動化するロボットです。画像認識やバーコード、RFIDなどを用いて、商品の識別情報や在庫数を確認します。人手による確認作業を減らし、作業時間の短縮や在庫精度の向上に貢献します。

ロボット自動倉庫・ASRS

ASRS(Automated Storage and Retrieval System)は、自動保管・入出庫システムです。商品やケース、パレットなどの保管と入出庫を自動化する仕組みで、スタッカークレーン、シャトル、搬送ロボットなどを用いて、保管棚への格納や取り出しを行います。高密度な保管が可能なため、保管スペースを有効活用しやすく、保管効率や作業効率の向上に貢献します。

 

ドローン

ドローンは、倉庫や物流センターの在庫確認・棚卸を効率化するロボットです。カメラやバーコード、RFIDなどを活用し、高所ラックや広い保管エリアの在庫情報を確認します。人が高所で確認する作業を減らすため、作業時間の短縮や安全性の向上に貢献します。夜間運用やWMS連携にも有効です。



 

まとめ

物流ロボットには、搬送を担うAGV・AMR、商品を作業者のもとへ運ぶGTP、仕分けを自動化する自動仕分けロボット、荷役を支援するAGF、ピッキングロボット、棚卸ロボット、自動倉庫など、さまざまな種類があります。それぞれ得意とする作業や適した現場条件が異なるため、導入時は「何を自動化したいのか」「どの工程に課題があるのか」を明確にすることが重要です。処理量、商品のサイズや形状、レイアウト、既存システムとの連携も踏まえて選定すれば、省人化や生産性向上、作業負担の軽減につながります。物流ロボットは、現場課題に合わせて組み合わせることで、より大きな効果を発揮します。

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このコラムの監修者
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セイノー情報サービスは450社以上へのWMS導入を通して培った物流ノウハウをもとに、お客様の戦略立案や物流改善をご支援しています。
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