2020.9.8

物流現場のCS向上とは?プラスアルファの価値で顧客満足度を上げる方法

即実践できる! 物流センターの改善方法

顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)はどんな仕事においても、とても重要です。物流業務においても、生産性や作業効率だけを求めるのではなく、お客様にプラスアルファの価値を提供することが、継続的な受注につなげる重要なポイントなのです
また、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係性マネジメント)においても、顧客満足度はとても重要な意味を占めています。

 

物流現場では、どうすれば顧客満足度が向上するのか

物流現場における顧客満足度の向上と聞いても、あまりピンとこないかもしれませんが、物流現場でしかできないことがあります。
そのひとつが、梱包です。
例えば、お客様から「納品された段ボール箱を開梱したら商品が足りない」と連絡を受けたけれど、その後「やっぱり、よくよく確認したら箱の底から見つかった」という経験はないでしょうか。商品の梱包をする際、商品や数量が正しくても、お客様が見間違えるような梱包方法では不満を与えてしまいます。お客様は、梱包に対して商品保護以外にも様々なことを求めているのです。

 

納品先に喜ばれる梱包で顧客満足度の向上を図る

お客様が梱包に対して商品保護以外で求めることをいくつかあげてみましょう。


  • ・小さい商品は、小箱に入れる
  • ・液体の商品は、液漏れを考慮してビニール袋に入れる
  • ・納品書を同梱した梱包箱には、「納品書在中ラベル」を貼付する
  • ・梱包箱単位に明細書(梱包箱単位の納品書) を発行・貼付する

(※これらは、取り扱う商品や納品書等の同梱有無により必要性が変わります。)



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商品を効率的に段ボール箱に詰めて箱数を減らし輸送コストを削減することや、緩衝材を詰めて輸送中の事故を防止することはもちろん大切ですが、それだけが梱包ではありません。物流現場で出荷作業の際にきれいに並べて検品した状態を、納品先でも再現できる梱包を意識することがとても重要です。
このように、梱包作業のポイントは、商品を見つけやすく、数えやすい状態を作ることです。お客様に満足していただくために、納品後のことも考えて、検品しやすい梱包となるよう工夫してみましょう。

ここでは、梱包に焦点を当てましたが、他にも顧客満足度の向上には、情報システムを活用した在庫情報や入出荷の実績情報の提供など、様々な取組みがあります。これらの取り組みを行う際には、お客様の目線に立って、物流現場として可能なことは何か、顧客の満足につながるのは何か、を考えることが大切です。


改善活動には物流現場の情報収集からあたりましょう

ここまで、QCD(品質・コスト・納期)の改善や顧客満足度の向上についてお話してきましたが、これらを実現するために最も重要な事は、物流現場の情報収集です。例えば下記のような情報を集めることで、改善活動の具体的な内容を検討することができます。


  • ・どの作業にミスが多いのか?
  • ・どの商品の出荷が多いのか?
  • ・作業ごとにどれぐらいの時間がかかるのか?

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物流現場にある情報を分析しやすい形で収集することこそが、改善活動のスピードアップに繋がります。特に、倉庫管理システムが導入されている物流現場であれば、より速く正確な情報を得られます。現場に導入されている倉庫管理システムの情報を見つめ直し、業務上の課題を分析してみることこそが改善活動への最初のアプローチと言えるでしょう。

物流現場の改善に終わりはなく、QCDの改善と顧客満足度の向上のPDCAサイクルを継続的に実践していくことが求められているのです。そのため、物流現場は経営状況を現わしていると言っても過言ではありません。挨拶に始まり、整理整頓がされているか否か、商品をどのように保管・管理しているか、作業者がてきぱきしているかなど、物流現場を見るとその会社の実態が見えてきます。このような視点からも、物流現場を一度見渡してみてはいかがでしょうか。

次回は、物流現場の管理者の役割についてお話しします。

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