SCM目線で、生産工程を可視化・BPR
1.生産工程の前後にある物流工程
生産工程の前後には必ず、物流工程があります。図1は、生産工程の例とその前後にある物流工程を示したものです。生産工程は、業界・業種・事業内容などによって多様ですが、原材料が中間品となり、製品となるという点では大きく違いません。ここでいう物流工程は、搬送、仮置き、ピッキング、検品、保管、廃棄などがこれに当たります。これら全てを含めて生産工程という場合、生産は、正味の「製造・加工」のほかに「物流」が含まれていることになります。
図1 生産工程の前後にある物流工程(例)
2.生産工程にある業務問題
生産工程にある物流工程の業務は、きちんと可視化され、管理がゆき届いているでしょうか。実際は、生産工程の前後にある物流工程が不明瞭であったり、管理不在となっているケースがあるのではないかと思います。 実際、次のような業務問題は生じていませんか。
- ・製造や加工以外の業務が多く、本業に支障がある
- ・忙しくしている割には、成果は上がっていない
- ・業務内容が変化しているのに現状と手順や方法が変わらず、非効率である
- ・システムが古く、業務実態に合っていない
- ・システムは刷新したが、成果は上がっていない
- ・人によって業務の手順や成果が異なる
- ・業務の実態が分からない人材がいる
- ・業務のプロセスが不明瞭な業務がある
- ・業務のノウハウが明確化されておらず人材を育てられない
これらの業務問題があれば、生産工程の可視化・BPRを推進することをお奨めします。では、どのように推進すればよいのか、その概要を次節以降で説明します。
3.生産工程の可視化・BPRのプロセス
SCM目線で物流工程が含まれる生産工程を可視化し、業務フローを見直しすることで、無駄な作業の廃止や生産工程にある在庫の削減につなげることが期待できます。生産工程の可視化・BPRにおいては、負荷の高い業務、属人化している業務、スキルレベルが適正ではない業務等が、改善効果の高い業務と言えます。これらの観点で業務の可視化を行い、改善対象となる工程を絞り込みます。
図2 生産工程の可視化・BPRのプロセス
業務の可視化のメリットには、次のようなものがあります。
①業務の平準化/簡素化(誰でも、誰もが) ②適材適所の要員割り当て ③属人業務の廃止 ④無駄/非効率な業務の明確化 ⑤アウトソース可能な業務の洗い出し ⑥優先課題の抽出 ⑦的確なリスクコントロール ⑧グローバル化への適応
また、対象工程のBPR・標準化のステップは、以下の通りです。業務の負荷を最小化し、短期で業務を抜け・漏れなく抽出・可視化し、簡易に業務改善を継続する7ステップです。
- ①業務抽出 業務テンプレートを活用し、業務を抽出し、業務構造を明確化
- ②簡易分析 業務データベースを作成し、業務負荷などを分析、属人業務を特定 (誰がどの業務にどの程度従事しているか を分析、スキルバランスを確認、改善費用効果を確認)
- ③業務プロセス作成 分析業務から作成すべきプロセスを抽出、作成プロセスは業務マニュアルの元となる
- ④業務改善 業務調査を定期的に実施、プロセスを最新化する計画を立案
- ⑤業務改善 業務ルール作成、新業務プロセスの実施
- ⑥実施 新業務プロセスの実施
- ⑦業務チェック 定例ヒアリングシートによるチェック、プロセス変更、効果の確認・検証
これら7つのステップの具体的アウトプットイメージは、お問い合わせください。