2015.12.21

<第11話>アウトソーシングで生産・運搬の労働人材不足を補う

ロジスティクス改善コラム ロジの素

 

生産の前、後処理工程をアウトソーシングし、生産・運搬の労働人材不足を補う

1.「中核人材不足」と「労働人材不足」

人材不足には、「中核人材不足」と「労働人材不足」の2つがあります。「中核人材」とは、高い専門性や技能を有し、事業活動の中核をなす人材です。一方、「労働人材」とは、特殊な技能は有さないが、中核人材の指揮を受けて事業運営に欠かせないな労働力を提供する人材です。


2.人材不足の状況(業種別・人材カテゴリ―別)

中小企業庁委託の調査「中小企業・小規模事業者の人材確保・定着等に関する調査」(2016年11月、みずほ情報総研㈱)によれば、人材不足の状況は、「製造業」と「非製造業」では異なります。人材カテゴリである経営企画、内部管理、財務・会計、情報システム、研究開発・設計、営業・販売・サービス、生産・運搬でも不足感に差があります。

①製造業
  「中核人材不足」は、「研究開発・設計」および「営業・販売・サービス」に高い。
  「労働人材不足」は、「生産・運搬」に顕著である。
②非製造業
  「中核人材不足」および「労働人材不足」は、「営業・販売・サービス」に高い。

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図1 出典:
  (資料)中小企業委託「中小企業・小規模事業者の人材確保・定着等に関する調査」
  (2016年11月、みずほ情報総研㈱)


3.製造業における労働人材不足への対応・・・・「運ぶと作るを一体化する」

人手不足への対応の基本的な考え方はすでに、いくつか提言され取り組まれています。今回は、「労働人材不足」が顕著である製造業の「生産・運搬」に焦点を当て、「運ぶ」と「作る」を一体化・アウトソーシングすることによる人手不足への対応を考えみたいと思います。

図2は、製造業の生産工程の概要を示したものです。本図では、自社の生産工程は、調達された原材料の在庫からを販売される製品在庫に至るまでの間に工程1から工程4までの4つあります。 このうち、工程2および工程3は、外注化しないコア生産工程とします。コア生産工程の1つである工程2の前には工程1があります。工程1では、調達した原材料(在庫)を使って、中間品が生産されます。一方、コア生産工程である工程3の後には工程4があります。工程4では、工程3で生産された中間品を使って、製品(在庫)が生産されます。

このように、加工、組立てなど、生産のコア工程の前後には必ず、前処理工程、後処理工程があります。また、前処理工程のさらに前には調達物流が、後処理工程のさらに後には販売物流が存在しています。

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図2 生産の前処理工程、後処理工程をアウトソーシング


労働人材不足への対応のために業務を見つめ直す場合、コア生産工程は引き続き自社生産工程とし、その前後にある生産工程は、調達物流や販売物流と統合し、一体的にアウトソーシングすることも検討できます。物流工程と生産工程の統合アウトソーシングは、固定費の変動費化や在庫を適正化できる可能性があります。


4.事例でみる後処理工程のアウトソーシング

当社で請け負っている「後処理工程のアウトソーシングサービス」の事例を紹介します。このお客様は、通信機器・サーバー等の大手製造・販売会社です。図3は、お客様の課題・目的、アウトソーシング工程、効果を示したものです。当社は、お客様の目的(コスト削減、在庫管理精度および出荷品質の向上)を理解した上で、課題(取扱製品のキッティング・品質検査および物流運用業務の外注化)の解決に取り組み、お客様の年間コストを50%以上削減、在庫差異ゼロを達成するとともに、生産・物流の一体化による労働人材不足への対応を支えています。

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図3 後処理工程のアウトソーシングサービス事例

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