ロジスティクスPSIとは(第3回) から ロジスティクスPSIの活用事例(第6回)までは、 「在庫」 と 「物流リソース」 を適正化するためのアプローチとして「ロジスティクスPSI」とその導入事例を説明してきました。 今回は、計画管理型ロジスティクスへのリビルドを行うための業務支援ITツール「LMS-PSI」をご紹介します。
計画管理型ロジスティクスの中核業務「作業計画」と「作業計画の見直し」
計画管理型ロジスティクスにおける中核業務は、「作業計画」と「作業計画の見直し」です。 「作業計画」では、営業(受注)見込や現在の在庫状況を反映した未来在庫の推移を確認しながら、生産や倉庫内での流通加工を含めた作業を立案します。(これを山積みといいます) また、「作業計画の見直し」では、「作業計画」に必要なリソース(要員・機器・輸送手段)を確認し、山積みした作業計画を平準化するように見直します。(これを山崩しといいます)

重要なロジスティクス作業リーダーの役割
A計画管理型ロジスティクスにおける業務は、つぎのAからFまでの6つに大別できます。これらの業務は、複数の部門の担当者が、円滑かつ確実に連携することで成り立ちます。この点で、ロジスティクス作業リーダーの役割は、非常に重要であると言えます。
A 営業受注見込/確定受注データ(営業見込入力) ・営業部門が翌週の受注見込を入力する ・上位システムより、確定受注情報が連携される B 作業計画 受注見込を反映した未来在庫推移を確認しながら、作業計画を立案する(山積み) C 計画の山崩し 作業リソース(要員)を確認し、山積みした作業計画を見直し平準化する(山崩し) D 必要な部材の確認 計画した作業に不足する部材がないかを確認する E 必要な部材の発注 発注担当者が仕入先に対し、必要な部材を発注する F 作業計画の見直し 仕入先との間で納期調整などが発生した場合は、 見直された作業計画を後ろ倒しにするなど、さらに見直しを行う

ロジスティクス業務をサポートするLMS-PSIの機能
計画管理型ロジスティクスの業務をサポートする「LMS-PSI」のシステム機能は、つぎの5つです。
1 営業見込入力 2 在庫アラート 3 作業計画表 4 リソース計画表 5 調達計画 それぞれの機能について、説明します。
1 営業見込入力
受注見込を入力する。 ① 表示期間(翌週以降)を表示し、受注予定を入力するための製品一覧を検索する。 ② 対象製品を確認し、受注予測を確認する。(予測は過去の実績から自動算出) ③ 入力後、「一括入力実行」する。

2 在庫アラート
「営業見込」と「現在庫数」を照合し、不足する在庫がないかを確認する。 ① 指定期間内に、「欠品する製品」もしくは「安全在庫等の基準値を下回る製品」 を検索する。 ② ロットサイズやリードタイムが考慮され、推奨作業着手日や推奨作業量が自動で 表示される。不足する数量を確認し、適宜、計画量を決定する。 ③ 入力完了後、対象にチェックし、「一括入力」を実行する。

3 作業計画表
受注見込を反映した未来在庫推移を確認しながら、作業計画を立案する。(山積み) ① 作業計画の条件を決定し、検索する。対象の製品が明細表示される。 ② 【週次計画】営業見込入力の値が「見込欄」に表示される。 ③ 在庫推移や商品ごとの参考情報(安全在庫値やロットサイズなど)を確認し、 各製品の生産量を入力する。 ④ 9/15に2つの製品の在庫が不足するため、追加で必要な数量を作業欄に入力する。 ⑤ 【日次計画】 受注データが上位システムから反映されるため、 在庫に問題がないか確認し、必要に応じて作業の値を変更する。 ⑥ 【週次計画】【日次計画】作業の値を決定後、一括入力を実行する。

4 リソース計画表
作業リソース(要員など)を確認し、山積みした作業計画を調整して平準化する。(山崩し) ① 日ごとに各リソースの負荷を確認する。 ② 作業に必要なリソースを確認し、各項目で100%を超える負荷がないかを確認する。 ③ 無理のない計画になるよう、各リソースの負荷を確認し、適宜調整する。(山崩し)

5 調達計画
計画した作業に必要な部材に不足がないか確認し、仕入先から直接取寄せる品目を手配する。 ① 指定した期間内で、「欠品するもの」もしくは「安全在庫などの基準値を 下回るもの」を検索する。 ② 不足する対象品目を確認するロットサイズやリードタイムが考慮され、 推奨納入日や推奨発注量が自動で表示される。 ③ 不足する量を確認し、適宜、調達量を決定する。 ④ 入力完了後、対象にチェックし、一括入力を実行する。

これら5つのシステム機能は、点在する在庫の統合と未来在庫の可視化を実現し、全社在庫を最適化するとともに、物流リソースの最小化を図り、物流コストを最適化を支援します。