社内で「そろそろ新しいシステムを入れよう」「既存システムを入れ替えよう」と話が出始めると、ワクワクする半面、どこかで不安も…。
経験豊富なIT担当者なら、導入がうまくいかなくて現場が混乱…なんて姿は絶対避けたいですよね。
そこで今回は、導入時にありがちな「IT導入失敗パターン」をご紹介します。
失敗パターン① 目的があいまいで迷走
「古くなったからなんとなく入れ替えよう…」
この決め方、結構多いんです。その結果、現場は「前と何が違うの？」と混乱します。
システム導入の本来の目的は業務効率化なのか、ミス防止なのか。ここを明確にしておかないと、ぶれてしまい、現場も戸惑います。ベンダー選定や仕様を決める前に「この業務をこう改善したい！」を具体的に書き出すだけで、迷走はかなり減らせます。
失敗パターン② 現場の声を後回し
上層部で決めた仕様をそのまま導入してしまうのも、よくあるパターンです。
せっかく導入しても、実際システムを毎日使う現場担当者は、業務に合わないシステムにはストレスがたまるばかりです。
「このボタンの場所わかりにくい」
「入力手順が長すぎる」
と小さな不満が積もると、現場への定着率は下がるばかり…
こうならないためにも、導入前に現場へのヒアリングや試使用が大切です。
「これはちょっと直した方がいいかも」を早めに反映でき、現場の協力も得やすくなります。
失敗パターン③ 古いやり方をそのまま持ち込む
また、新しいシステムは「効率化ツール」のはずなのに、旧システムの手順をそっくりそのままコピーしていませんか？
手動でやっていた作業を自動化できるのに、慣れたやり方を踏襲してしまうと、せっかくの導入効果が薄れます。
フローを見直して、「ここは自動化できる」「この手順は不要」と改善ポイントを検討しましょう。
失敗パターン④ テスト・教育を軽視
「まあ本番でなんとかなるだろう」とテストや研修を手抜きすると、リリース後に操作ミスやエラーが続出してしまいます。
「ここ、どうやるんだっけ…」と現場が混乱し、サポート対応が増える悪循環に。
小さくてもいいので、本番前に試験運用を行い、その結果を踏まえた説明書やマニュアル動画などを用意しておくと、導入後の混乱をかなり減らせます。
失敗パターン⑤ 導入して終わり
導入が完了すると、つい「やった！ 終わった！」で安心してしまいがちです。
しかし、現場で小さな不満や非効率が積み重なると、気づかないうちに運用が滞ってしまうことも…
導入後は、月に一度、定例会を設けるなど、振り返りをすることで入力ミスや手順の改善点をチェックできます。
現場とIT部門で情報共有する習慣を作ると、導入効果が長続きします。
システムの導入は、単なるツール入れ替えではありません。
目的を明確にし、現場の声を取り入れ、教育や改善を重ねることで、はじめて「現場が使いやすく、効果が出る」導入になります。
急がず、一歩ずつ進めることが大切です。小さな工夫を積み重ねることが、IT導入成功のカギとなります。
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