深刻な人手不足を背景に、注目が浴びる「物流ロボット」
前回のコラムで説明した「物流生産性向上の6つの取り組み」の1つである<変える:新たなテクノロジーの活用>に「ロボット」があります。ロボットの定義は様々ですが、センサ、知能・制御および駆動の3つの要素技術が組み合わされたもの(機械)は、すべてロボットということができます。これらロボットは、最近、暮らしや産業で、使われるようになってきました。例えば、「お掃除ロボット」や「介護ロボット」が普及しつつあります。 産業界では、従来より、製造業の生産工程にロボットが使われています。また「長時間労働、低賃金、3K(きつい、汚い、危険)」と言われる物流業においても、深刻な人手不足を背景に、「物流ロボット」に注目が集まっています。
物流ロボットへの期待としての生産性向上/CS・ES向上
人物流ロボットの活用の目的はシンプルです。それは、人を必要とするプロセスを減少させることです。その目的の達成は、いまの物流にある「長時間労働、低賃金、3K(きつい、汚い、危険)」の解消にもなる可能性があり、以下のようなことが期待されます。
- ・人件費の節約
- ・危険な仕事(労働災害)の回避
- ・24時間・365日の稼動(充電やメンテナンスの時間を除く)
物流ロボットを導入するにあたっては、これらのほかに、「いま以上に物流の生産性は向上するのか」、「実際にCS・ESは高まるのか」を検証しておく必要があります。
- ・人を必要とするプロセスを分解し、そのうち、どのプロセスが、どの程度減少するのか(投資に見合うのか)
- ・従業員1人あたりの生産性は、ロボットの導入でどう変化するのか
- ・総労働時間、従業員別の労働時間は短縮できるのか(コア作業はロボットが代替できたとしてもその前後工程に人の介在が必要にならないか)
ロボット・マネジメント・システム(RMS)による物流ロボットとの連携
セイノー情報サービスでは、物流ITクラウドサービスに「RMS」を加え、物流ロボットとの「RMS Gateway」を介したAPI連携に取り組んでいます。これにより、例えば、倉庫・物流センターにおける搬送業務について、複数の物流ロボットを活用した省人化を進めることができます。