2015.12.21

<第9話>現地・現物・現状のデジタル化

ロジスティクス改善コラム ロジの素

 

現地・現物・現状のデジタル化

IoTの進展に伴う物流システムの革新は、荷主企業や物流企業のビジネスそのものや業務を大きく変えます。

IoT活用の環境が整いつつあるいま、現地・現物・現状のデジタル化は、人材・人手不足に対応する有力かつ抜本的な手段となります。例えば、ある物流センター(現地)の気象情報や商品(現物)の状況(現状)を数値化し、可視化することですぐに必要な対応をとることができます。IoTをうまく活用した物流システムが企業競争力を左右すると言えるでしょう。

 

1.IoT活用環境の変化 この15年で何が変わったのか

2015年がIoT元年と言われていますが、IoT進展の背景は、以下の5つがあります。


  • ・センサーは低価格になり、多様化し、多種類になった。
  • ・デバイスが安く手にはいるようになり、スマートフォンが普及し、専用端末の必要性がなくなった。
  • ・データをつなげる通信環境、光回線に代表されるような安くて高速な通信インフラが発展し、加えて公衆無線LAN,携帯電話回線のような無線環境が整備され、拡大した。
  • ・集めたデータを蓄積するインフラやデータの高速分析技術が進化した。クラウドサービスの発展により、早く安く手軽にデータを蓄積でき、データ分析サービスの基盤が安く利用できるようになった。
  • ・機械学習、人工知能における技術が実用化された。

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2.現地・現物・現状のデジタル化の徹底

IoTの活用によりデジタル化された情報は、独占するよりも共有するほうが有益です。
IoTの本質は情報の共有にあり、それはサプライチェーン全体の効率化や改善のPDCAに寄与します。

IoTによるイノベーションは、物流現場のワークスタイルや物流サービスを一変させます。IoTを利用した物流システムは、労働力不足を補い、より生産的な活動への従事を可能にします。

 

3.キーワードは、リアルタイムとリアリティ

物流活動は、ビジネスや取引の変化に伴い、常に変化を余儀なくされるため、その変化を感知し、俊敏に対応する必要があります。この点で、IoT活用による利益と付加価値を創造するキーワードは、「リアルタイム」と「リアリティ」であると考えられます。

現地・現物・現状が「リアルタイム」に可視化されれば、物流マネジメントは飛躍的に向上します。課題が見つかり次第、解決することで、何も手を打たない時間を短縮することができます。

また、「リアリティ」は、より正確な情報に基づいた確認を短時間で可能にする性能です。例えば、出荷工程で出荷可・不可という文字情報ではなく、画像を使うことでなぜ出荷できないかをすぐに判断できるようになります。

リアリティ性能が向上すれば、現場判断が困難な事を遠隔地にいる専門家や責任者が対応できるようになり、省人化にもつながります。

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一方、モバイルがもたらすイノベーションで、ビジネスや業務のスタイルが「バッチ処理型」から「リアルタイム処理型」になります。業務上の意思決定は、そのタイミングと場所が重要であり、物流業務は、会議室ではなく、現場で意思決定することにより競争力が高まります。

例えば、業務のスタイルは変わってきました。
パソコンがノートPCに代わり、スマートフォンやタブレット端末が加わりモバイル化しました。それにより業務はいつでもどこでも作業ができるようになりました。
これからの物流システムは「リアルタイム業務」を新たな常識とすべきで、これまでの常識を打破しようという姿勢が必要です。

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ビジネスの今をその場で正確に把握できるようになるIoTは、これから必須の技術となるでしょう。いかに自社に取り入れるか、早くその答えを見つけ実践したものが成功できると考えます。

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