2025.9.4

加速するAIエージェントサービス!活用例の紹介と主要なサービスを比較

最新技術

 

こんにちは。物流版AIエージェント「ロジスティクス・エージェント」を提供するセイノー情報サービスです。
AIエージェントサービスは、顧客対応の最適化や生産性の向上に貢献するソリューションです。従来のチャットボットとは異なり、ユーザーの意図を正確に理解し、能動的に対応する点が特徴です。この記事では、サービス化として注目されているAIエージェントの特徴やメリット、主要なAIエージェントサービスを解説します。

 

目次

  1. 1. AIエージェントとは

  2. 2. 加速するAIエージェントのサービス化

  3. 3. AIエージェントの主な活用パターン

  4. 4. AIエージェントサービスの導入メリット

  5. 5. AIエージェントサービスの導入例

  6. 6. 主要なAIエージェントサービスの比較

  7. 7. まとめ


 

AIエージェントサービスとは

AIエージェントサービスは、人が指示を出さなくとも目的を理解して自律的に考え、計画を立てて実行するAIエージェントを軸に、その構築や運用を支援する体系化されたサービスのことです。まずは、AIエージェントとよく混同されるチャットボットとの違いについて解説します。

AIエージェントとチャットボットの違い

従来のチャットボットは、あらかじめ設定されたルールに基づいて応答する、受動的なシステムです。一方、AIエージェントはユーザーの意図を理解し、自ら情報を収集しタスクを実行することが可能です。人間の指示を待つのではなく、自ら状況を判断し、実行に移すことができる点が大きな違いです。

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チャットボットとAIエージェントの違い


 

加速するAIエージェントのサービス化

AIエージェントのサービス化が加速している背景には、生成AI技術の進化に加え、人手不足や業務効率化ニーズの高まりがあります。従来のチャットボットやRPAでは対応が難しかった柔軟な対話や高度な判断が可能となり、顧客対応や社内業務支援など、幅広い分野で実用化が進んでいます。今後は専門領域に特化したエージェントの登場や、他システムとの連携強化により、さらに高付加価値な業務支援が期待されます。コスト面でのハードルが下がれば、中堅・中小企業への普及も一層進むと考えられます。



 

AIエージェントの主な活用パターン

AIエージェントの活用パターンは、「起動タイミング」「動作範囲・機能」「ユーザーインターフェース」の3つの観点から分類できます。それぞれについて詳しく解説します。

起動タイミング

まずAIエージェントの起動タイミングは3つに分類でき、それぞれ特徴や使いどころが異なります。


  • 定期的に動くエージェント
    決まった時間に自動で動きます。例えば、毎朝の在庫レポート作成や実施すべき業務や確認事項の自動通知など、定期的な業務に適しています。
  • 必要なときだけ動くエージェント
    条件や出来事に応じて柔軟に動きます。数値だけでなく状況も判断し、従来のルールベースのシステムより高度な対応が可能です。
  • 指示があると動くエージェント
    人間からの指示を受けてから動きます。対話を通じて状況を把握しやすいため、特定のリクエストや柔軟な対応に向いています。

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動作範囲・機能

AIエージェントは、その対応する動作範囲や機能によって、「単一目的エージェント」と「汎用エージェント」に分けられます。

  • 単一目的エージェント
    特定のタスクに特化し、高い精度と効率を発揮するエージェントです。例えば、工場の設備異常検知やスパムメールの判定など、専門性の高い分野で活用されています。
  • 汎用エージェント
    複数の異なるタスクを柔軟に処理するエージェントです。カスタマーサポートから売上予測まで幅広い業務に対応でき、特に業務範囲が広い企業での導入に効果を発揮します。

ユーザーインターフェース

AIエージェントのユーザーインターフェースは「テキスト型」「音声型」「画面型」「複合型」「自動型」の5種類に分類できます。それぞれの特徴と活用例は以下の通りです。

  
タイプ特徴活用例
テキスト型 ・文字によるやり取りで操作が容易
・やり取りの履歴が残せる
・複雑な質問には弱い傾向
・オンラインショップの問い合わせ対応
・社内スケジュールの管理・調整
音声型 ・音声で操作でき、手を使わず便利
・騒音や方言に影響を受けやすい
・音声による家電操作
・天気予報の音声確認
画面型 ・画像や動画を用いて視覚的に情報を伝達
・構築コストが高くなる場合がある
・商品の3Dビジュアル表示
・児童向けのAI学習支援
複合型 ・複数のインタフェースを組み合わせて柔軟に対応
・開発が複雑になりがち
・音声対応アプリによる家電の遠隔操作
・音声対応の画像診断AI
自動型 ・ユーザー操作なしで自動的に処理を実行
・動作が見えにくいため不安を感じる場合がある
・会議の自動スケジューリング
・室温や照明の自動制御

 

AIエージェントサービスの導入メリット

AIエージェントサービスを導入するといくつかのメリットが得られます。主な2つのメリットについて解説します。

顧客満足度の向上

AIエージェントサービスを導入することで、顧客からの問い合わせに即時に応答できるほか、24時間体制でのサポートが可能となり、スピードと業務効率が大幅に向上します。また、過去の対応履歴を活用し、一貫性を保ちながら顧客一人ひとりの状況やニーズに合わせたより良質なサービスを提供できます。
さらに、多言語対応により、グローバルな顧客ニーズにも柔軟に応じることが可能です。
これにより、担当者は感情的なフォローやクレーム処理など、人間ならではの業務に専念でき、結果としてサービス全体の品質向上につながります。



生産性向上

たとえば製造業では、AIエージェントサービスを導入により定型作業や判断業務の自動化が進み、作業時間の大幅な削減とリソースの効率的な配分が可能になります。特に生産管理業務においては、従来ベテラン従業員が数日かけて行っていた生産計画の立案を、AIがわずか数分で完了できるようになり、業務効率が飛躍的に向上します。さらに、生産スケジューリングやリソース配分の最適化、在庫管理の精度向上により、市場の変化にも迅速に対応できる体制が整い、製造現場全体の生産性向上につながります。



 

AIエージェントサービスの導入例

AIエージェントサービスを導入する際には、事例を参考にしましょう。以下で、2つの導入事例を紹介します。

株式会社ベネッセコーポレーション

株式会社ベネッセコーポレーションは、Microsoft Copilot Studioを活用し、750ページに及ぶマニュアルを学習させた社内相談AIを刷新しました。ノーコードで簡単に改善できるため、迅速な対応が可能です。2024年度内に自動応答システムを利用開始し、2025年には一部の手続きをAIで対応できるようにする計画です。



トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社は、製造現場にAIエージェントを導入し、品質と生産性の向上を図っています。設備に取り付けたセンサーから得られるデータをAIが常時分析し、異常の兆候を早期に検知。突発的なライン停止を防ぐ予知保全に活用されています。また、画像認識AIによる外観検査では、不良品の検出精度を高め、目視検査のばらつきを抑制。さらに、作業者向けには、手順やQ&Aを対話形式で案内する支援エージェントを導入し、教育効率や作業精度の向上にも寄与しています。トヨタはAIと人の協調を重視し、現場力を高める取り組みを進めています。


 

主要なAIエージェントサービスの比較

主要なAIエージェントサービスを3つピックアップし、ご紹介します。

Microsoft

Microsoftは、業務効率化や新しい価値の創出を支援する多様なAIエージェントを提供しています。これらは自律性や目標指向、高度な推論力を備え、人間の業務を強力にサポートします。

ソリューションは、「ビルトイン型」「サードパーティ型」「カスタマイズ型」に分類され、特にCopilot StudioやAzure AI Foundryによるカスタマイズ型が注目されています。非エンジニアでもAIを構築できる一方で、開発者には高度な設定も可能です。これにより、業務効率や顧客満足度の向上、属人化の解消などが期待されます。



Google

Googleが提供する「Google Agentspace」は、社内外のデータやサービスを統合し、AIエージェントを活用して業務効率化を実現するプラットフォームです。チームワークスペースのConfluenceやプロジェクト管理ツールのJiraなどの主要ツールと連携し、AIがデータの検索・分析から業務の実行までを支援します。
例えば、マーケティング部門では分散したキャンペーンデータを集約・分析し、迅速な意思決定を可能にします。今後はローコードでカスタムエージェントを作成できる機能も追加される予定です。



Salesforce

Salesforceが提供する「Agentforce」は、問い合わせ対応などの定型業務を自動化し、生産性と顧客満足度を向上させるAIエージェントサービスです。過去のやり取りやナレッジを活用して、最適な回答を自律的に作成します。担当者は重要な業務に専念でき、顧客は迅速かつ安定したサポートを受けられます。これにより、業務効率と顧客満足度の両立が可能になります。



 

まとめ

AIエージェントは、ユーザーの意図を理解し自律的に行動する点が特徴で、チャットボットやRPAを超える柔軟な対応力を持ちます。現在、業務効率化や人手不足対策として実用化が進み、製造業や顧客対応などで効果が表れています。サービス化も加速しており、今後さらに広範な分野への展開が期待されます。導入事例や主要サービスの特徴を踏まえ、自社の業務改善に適したサービスを選びましょう。

セイノー情報サービスは、物流業界初となるAIエージェント「ロジスティクス・エージェント」の開発に取り組んでいます。セイノーグループがこれまでに培ってきた豊富な経験とノウハウに、先端技術「BRAIS」を活用した物流ITの専門知識を融合し、物流業界にこれまでにない新たな価値を創出するソリューションを提供しています。AIエージェントの導入を活用した業務改善に興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。



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このコラムの監修者
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セイノー情報サービスは400社以上へのWMS導入を通して培った物流ノウハウをもとに、お客様の戦略立案や物流改善をご支援しています。
当コラムは、経験豊富なコンサルタントやロジスティクス経営士物流技術管理士などの資格を持った社員が監修しています。
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