2025.10.21
  • 運輸・倉庫業

WMS×ロボットで実現!倉庫の最適化と保管効率UPの秘訣

導入ソリューション

  • 倉庫管理
  • ロボットマネジメント​
企業名
ブラザーロジテック株式会社
業種
運輸・倉庫業
資本金     7,000万円
事業内容    貨物自動車運送事業、倉庫業、自動車運送取扱事業 等

お客様の概要

ブラザーロジテック株式会社は、1966年に設立されたブラザーグループの物流企業です。愛知県名古屋市に本社を置き、ミシンやプリンター・複合機などの製品を中心に、入荷から保管、仕分け、出荷まで一貫した物流サービスを提供しています。事業内容は貨物自動車運送や倉庫業に加え、自動車整備や荷造包装など多岐にわたり、幅広い業務に対応しています。複数の拠点を活用し、高度なネットワークを通じて迅速かつ安全な供給体制を実現しています。

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導入のきっかけ

同社は名古屋市内を中心に4つの拠点を運用しており、倉庫内の運用には長年オンプレミス型の倉庫管理システム(WMS)を活用してきました。しかし、サーバーの保守期限が迫る中、従来から抱えていた業務課題の見直しも兼ねて、新たなWMSへの移行を検討することになりました。さらに、将来的な人手不足や作業者の高齢化に対応するため、自動化設備の導入についても検討を進めていました。



課題
  • ・システムへの負荷が大きく業務が止まってしまう
  • ・工程ごとに管理コードが違い、手間がかかる
  • ・歩く・しゃがむ・登る…高齢化が進む現場の身体への負担
  • ・天井高5.5mの倉庫なのに、棚の低さでスペースが無駄に

成果
  • ・クラウドサービスと24時間サポートで業務停止リスクを解消
  • ・管理コードを統一し帳票を削減、現場作業がシンプルに
  • ・ハイロボ導入で身体への負担を軽減、作業環境が改善
  • ・高さ5mの棚で保管効率は約2倍に向上

動画で見る|WMS×ロボットで実現!倉庫の最適化と保管効率UPの秘訣

https://www.youtube.com/embed/KnJfClbDo28?si=ytWc4d9yVIq2appy

抱えていた課題

 

システムへの負荷が大きく業務が止まってしまう

既存のWMSはオンプレミス型で、情報システム部には運用・保守の負担が年々増加していました。特に長年の稼働でデータが肥大化し、処理速度が低下していたため、在庫の引き当てには時間を要し、出荷作業に支障が出ていました。さらに、上位システムとの連携ではエラーが頻発し、業務の停滞につながっていました。こうした不具合をベンダーに問い合わせても、対応できる担当者が限られており、連絡がつかない間は問題が解消されないまま業務が止まることもありました。


 

工程ごとに管理コードが違い、手間がかかる

出荷業務では、間口番号や検品番号など、各工程で異なる管理コードが使われていたため、その都度帳票を印刷して確認する手間がかかっていました。こうした複数のコードの運用は作業効率を下げるだけでなく、ミスにつながりやすいため、現場では管理コードの統一が求められていました。


 

歩く・しゃがむ・登る…高齢化が進む現場の身体への負担

人手不足に加えて作業者の高齢化が進む中、広い倉庫内を歩き回る、棚の下段の商品を取るためにしゃがむ、高い位置の商品は脚立で取るなど、こうした動作が足腰に大きな負担となっていました。また高齢化に伴い、体調不良による長期休暇の増加も想定されます。その際には他の作業者に負荷が集中してしまうため、長く安心して働き続けてもらうためにも、負担を軽減する仕組みが必要でした。


 

天井高5.5mの倉庫なのに、棚の低さでスペースが無駄に

港第1倉庫は、3,800坪の敷地に高さ5.5mの大空間を備えています。ブラザー製品を中心に修理部品など約18,000アイテムを取り扱っていましたが、保管には高さ2m程度の軽量棚を使用していたため、天井までのスペースが有効に活用されていませんでした。



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WMS選定のポイント

同社がWMSのリプレイスにあたり重視したポイントは4つあります。

クラウドサービスによる
高い処理速度と安定稼働
情報システム部門の負担軽減を図りつつ、処理速度と安定性を確保できる
物流現場のノウハウが活かされた
システムであること
SLIMSは現場目線で設計されており、実際の業務フローに即した使いやすさと拡張性を兼ね備えていること
基幹システムとの連携実績
同社が利用する基幹システムとの連携実績があり、業務も必要な細かな制御開発やカスタマイズにも対応できる柔軟性
サポート体制の充実
トラブル発生時も24時間365日サポートできるヘルプデスクの存在は大きな安心材料

これらのポイントを総合的に検討した結果、同社はSLIMSを採用しました。クラウドサービスであることに加え、物流現場の知見を活かした設計、柔軟な開発対応力、充実したサポート体制などを評価しています。また、省人化を見据えた自動化設備の導入にもスムーズに対応できる点も高く評価しました。

 

物流ロボットの選定

同社がSLIMSの導入を進める中で、港第1倉庫での自動化設備の導入検討が活発に動き始めました。 作業の省人化と保管効率の向上を目的に、自動倉庫を中心に複数のロボットで検討を重ねたところ、作業の中心となる2階への搬入ができることとコスト面からHAIROBOTICS ACR(以下、ハイロボ)を採用しました。

ハイロボ導入後の業務の流れ

 

ハイロボとは

ハイロボは、高密度保管と自動ピッキングを両立する自律走行型ロボットです。港第1倉庫に設置された「ハイロボエリア」では、高さ5mのラックが約1m間隔で並び、この幅はロボットが走行できる最小幅に設計されています。約10,800ケースを収納でき、限られたスペースでも高い保管効率を実現しています。
ハイロボは最大1.8m/sで走行し、最大300kg(8ケース)を同時に搬送できます。床に約1m間隔で貼られたQRコードを読み取りながら自律的に移動し、どのハイロボがどのロケーションのコンテナをピッキングするかといったルート設計や判断も、すべてハイロボ自身が行います。また安全面では、ロボットが稼働中はハイロボエリアへの立ち入りは禁止されていますが、自動障害物回避機能により、万一の際も安全に走行可能です。さらに、バッテリー残量が一定以下になると自動で充電エリアに移動するため、管理者が残量を気にする必要もありません。



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業務の流れ

SLIMSで出荷指示を出すと、ハイロボは自動で指定のロケーションまで移動し、コンテナを順次ピッキングします。全てのピッキングが終わると、ハイロボは作業エリアへ移動し、コンテナをコンベアに下ろした後、次のロケーションへ向かいます。
作業者は、コンベアから流れてきたコンテナの製品を、画⾯を確認しながらハンディターミナルでピッキングします。すると、横に設置されたラベルプリンターから納品先が記載された出荷ラベルが印刷され、商品に貼付けて作業は完了です。ピッキングされた商品はまとめて梱包エリアに運ばれ、仕分・梱包されます。



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SLIMS導入の効果

 

クラウドサービスと24時間サポートで業務停止リスクを解消

クラウドサービスにより処理速度が大幅に改善され、業務が停止する心配もなくなりました。また、ヘルプデスクによる24時間365日のサポート体制によりトラブル対応も迅速化し、システム運用の属人化も解消されました。


 

管理コードを統一し、現場作業がシンプルに

SLIMSにより工程ごとの管理コードが統一され、帳票印刷が大幅に削減されました。現場では、工程ごとのコード切り替えや帳票確認などの手間から解放され、作業効率が大幅に向上しました。

ハイロボ導入の効果

 

ハイロボ導入で身体への負担を軽減、作業環境が改善

ハイロボの導入で、作業者は作業エリアで待っているだけでピッキングができるようになりました。また、しゃがむ・登るといった負担の大きい動作が不要になり、身体への負担が軽減しています。さらに作業時間も約60%短縮され、効率的で働きやすい環境が実現しました。


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高さ5mの棚で保管効率が約2倍に向上

ハイロボに使われる棚は高さ5mと高い天井空間を有効活用できます。また、ラック間隔は約1mとロボット1台が通れる最小幅に設計されています。これにより倉庫空間を最大限活用できるようになり、保管効率は約2倍に向上しています。


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お客様の声

 

自動化で物流改革をさらに加速

ブラザーロジテックでは、今後も、省人化・作業効率化をさらに推進するため、自動化設備の導入を継続的に検討しています。今回のハイロボ導入は、物流現場における業務改革の大きな一歩となりましたが、こうした実績とノウハウを、他拠点にも展開をしていくことで、全社的な改善と最適化に繋げていきたいと考えています。一方で、ロボットという機械設備に頼るからこそ、システム停止に備えた対策も欠かせません。セイノー情報サービスには、今後さらにトラブル時の対応スピードや復旧力の向上に期待しています。



SLIMSから広がる業務改革とAI活用への展望

現在は、従来行っていた業務をSLIMS上で安定的に運用できるようになってきた段階ですが、SLIMSにはまだ活用しきれていない機能やポテンシャルがあると感じています。今後は、より深くSLIMSを活用し、業務改善や効率化にさらに踏み込んでいく予定です。特に、SLIMSに蓄積されたデータを、経営指標や荷主へのフィードバック、現場改善の材料として活用し、データドリブンな物流管理に進化させていきたいと考えています。
さらに、将来的にはAIの力も活かしていきたいという期待があります。たとえば、慣れていない作業者でもスムーズに業務をこなせるよう、AIエージェントによる次の作業へのナビゲートや、障害発生時の原因特定から対応方法の提案など、現場の頼れるパートナーのような存在となってくれることを望んでいます。
セイノー情報サービスには、これからもシステム面だけでなく、現場の実情に寄り添った進化と提案を期待しています。

本社業務部 本社部品課 課長 杉浦 孝明 氏
業務革新部 システム課 課長 湯浅 裕史 氏



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